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西区の古民家「自在・南軽井沢稲葉邸」で影絵人形芝居「極楽金魚」

「極楽金魚」初演時の舞台風景

「極楽金魚」初演時の舞台風景

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 築64年の昭和の一軒家を改装した「自在・南軽井沢稲葉邸」(横浜市西区南軽井沢15)で5月31日・6月1日、劇団「横浜ボートシアター」の創作影絵人形芝居「極楽金魚」が上演される。

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 横浜ボートシアターは1981年、横浜の運河に係留する木造ダルマ船を改造した劇場を拠点に活動を開始。船は老朽化のため1995年に沈没してしまったが、現在は鋼鉄の艀(はしけ)を改造した船劇場「第七金星丸」で活動を行っている。代表は横浜市民文化賞を受賞した脚本家・演出家の遠藤啄郎さん。

 今回の公演では、遠藤さんが約50年前にラジオドラマとして書いた作品「極楽金魚」を影絵人形芝居として上演。四国高松で今も売られている郷土人形「奉公さん」の由来話をもとにした遠藤さんの初期の代表作の一つで、演劇は日本だけでなくフランス・スイス・イタリア各地で上演された。

 影絵人形芝居はトルコを始め、インド、中国、東南アジアなどアジア全域に広く存在する演劇のスタイルで、この作品は中でもインドネシアの「ワヤン・クリ」と呼ばれるものに影響を受け、一人の演者が語りながら同時に人形を操作する。また、影絵の制作は、現地で影絵人形を彫る際に使う道具を特別に入手して行ったという。演出は遠藤さん、人形美術は竹内英梨奈さん、ギターの生演奏による音楽は松本利洋さん、人形操作・語りは吉岡紗矢さん。

 当日は、「極楽金魚」のほか、宮澤賢治作品「ざしき童子(ぼっこ)のはなし」の語りを初上演する。終演後には、遠藤さん手作りの創作仮面のデモンストレーションも行われる。

 「自在・南軽井沢稲葉邸」は、横浜駅近くとは思えない木造平屋建ての落ち着いた日本家屋で、商店街や住宅街など暮らしの場にアートを取り入れる活動を続ける今井嘉江さんが2011年に借り受けた。アーティストの活動の場やギャラリーとして使われている。

 横浜ボートシアター制作の奥本聡さんは「日本家屋は、現代の東京・横浜の都市圏に住む人たちの日常からは遠いが、記憶の中には確実に存在する場所。稲葉邸は、自分が知っているのか、知っていないのかすらも曖昧な、良い意味で宙ぶらりんな空間となっている。演劇は現実から、物語へと橋渡しをしなくてはならない芸術分野だが、稲葉邸の持つその『不安定さ』・『宙ぶらりんな魅力』は、作品を見る人を惹きつける一つの武器になると思う」と話している。

 開演は各日18時30分(開場は30分前)。チケットは前売り2,500円、当日3,000円。予約・問い合わせは横浜ボートシアターまで。

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