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関内ホールで「ヨコハマ映画祭」授賞式-故・原田芳雄さんに最優秀男優賞

故・原田芳雄さんにヨコハマ映画祭最優秀男優賞が贈られた(左より、原田芳雄さん写真、瑛太さん、でんでんさん、阪本順治監督)

故・原田芳雄さんにヨコハマ映画祭最優秀男優賞が贈られた(左より、原田芳雄さん写真、瑛太さん、でんでんさん、阪本順治監督)

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 「第33回 ヨコハマ映画祭授賞式」が2月5日に関内ホール(横浜市中区住吉町4)で開催され、主演男優賞を受賞した瑛太さん、主演女優賞の吉高由里子さんをはじめ、豪華な顔ぶれがそろった。

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 受賞式には、主演男優賞・瑛太さん(まほろ駅前多田便利軒)、主演女優賞・吉高由里子さん(婚前特急)、助演男優賞・でんでんさん(冷たい熱帯魚)、助演女優賞・黒沢あすかさん(冷たい熱帯魚)と神楽坂恵さん(冷たい熱帯魚、恋の罪)、最優秀新人賞・杉野希妃さん(歓待)と浜野謙太さん(婚前特急)らが出席。チケットは完売し、熱心な映画ファン約1,100人がホールを埋めた。

 当日は「大鹿村騒動記」「婚前特急」「冷たい熱帯魚」の3作品を上映したほか、各賞受賞者やゲストを招いた表彰式、最新作予告編上映を開催。

 長野県の大鹿村で300年以上受け継がれてきた実在の村歌舞伎を背景に、人間味あふれる群像劇を描いた映画「大鹿村騒動記」には、作品賞のほか、同映画に大きく関わった俳優の故・原田芳雄さんに、これまでの功績も含めヨコハマ映画祭最優秀男優賞が贈られた。

 表彰式の前には、原田さん主演作「ツィゴイネルワイゼン」(鈴木清順監督)、「鬼火」(望月六郎監督)の予告映像を特別上映。在りし日の原田さんの歌声も流され、娘で女優の原田麻由さんは「こんなにも原田芳雄に愛情をもっていただいて、本当にありがとうございます。いま予告編を舞台袖で見て、父の声を懐かしく思っておりました。24時間芝居のことが頭から離れることがない人で、そういう面では心底役者だったと思います。父は公開真近に『この映画をみんなに見てほしいんだ』と話していた。作品賞にも選んでいただき、芳雄が誰よりも喜んでいると思う」と、父親に代わり壇上であいさつし、観客席から温かい拍手が鳴り響いた。

 主演女優賞に輝いた吉高さんは「ヨコハマ映画祭で5年前に初めて新人賞をいただいたが、鉄砲玉としか言われたことのない私がブーメランのように舞台に戻ってこられてうれしい」とコメント。また、主演男優賞を獲得した瑛太さんは「『まほろ駅前多田便利軒』では、大森監督に全ての芝居の嘘が見透かされ、俳優として次のステップに進む前の貴重な体験をさせて頂いた。撮影中に、演じている自分の体から何かがあふれ出すような不思議な感覚を味わいました」と語った。

 また、出演した「大鹿村騒動記」の現場を振り返り「自分の撮影期間は2、3日だったが、現場には常に笑いがあり心にしみる時間が過ごせた。撮影中にお酒の席で原田さんの席の後ろにあったウイスキーを1杯いただき、そのときの味が今でも忘れられない」とも。

 ヨコハマ映画祭は、スポンサーや自治体からの支援を受けず、学生や会社員など日本映画ファンがボランティアで主催する映画祭として知られる。審査員を務めるのは映画評論家や映画ライターなどの映画関係者と一般映画ファンらで、今年度は36人が審査にあたった。

 同映画祭実行委員会の北見秋満さんは「今年もヨコハマ映画祭を開催することができて大変うれしい。今日は3本の映画とも35ミリで上映したが、今後、デジタル映画が選ばれた場合には、新たな上映形態を考えなくてはならない。『映画文化』と『映画産業』がごちゃまぜになって議論されていると感じるが、映画を愛する皆さんにも『映画をみる』という行為についてもう一度考えてほしい」と呼びかけた。

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