亜門さんが来年1月開設の「神奈川芸術劇場」初代芸術監督就任

4月7日に行われた「神奈川芸術劇場(KAAT)」の初代芸術監督就任式(写真左より、松沢成文神奈川県知事、神奈川芸術劇場初代芸術監督を務める宮本亜門さん)

4月7日に行われた「神奈川芸術劇場(KAAT)」の初代芸術監督就任式(写真左より、松沢成文神奈川県知事、神奈川芸術劇場初代芸術監督を務める宮本亜門さん)

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 神奈川県民ホール(横浜市中区山下町3)で4月7日、2011年1月にオープンする「神奈川芸術劇場(KAAT)」の初代芸術監督を務める演出家・宮本亜門さんの就任発表と所信表明が行われた。

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 神奈川芸術劇場は、神奈川県民ホールと一体的に運営する中規模ホール。現在、山下町地区(中区山下町281)で開設準備を進めている。開港以来の歴史を持つ同地区を県の文化芸術の拠点とし、優れた舞台芸術作品の鑑賞機会を県民に提供することを目的とする。

 芸術の創造「モノをつくる」、人材の育成「人をつくる」、にぎわいの創出「まちをつくる」という、「3つのつくる」をテーマとした「創造型劇場」を目指していく。

 就任挨拶で宮本さんは「この劇場の掲げる3つの素晴らしいテーマを基本に、『なぜ人は生きるのか』『どのようにして生きてゆくのか』『いかにして生きるべきか』というテーマを、観客とともに考えながらこの劇場を作っていきたい。国を超えていろいろな人と出会い、考え、文化を学び、『ひとを結ぶ』。これが演劇にできることだと思う」。また、「ジャンルに縛られることのない、実験性を伴うスタイルで、楽しさや刺激を伝えられる、ジャンルを超えたものをつくっていく」とビジョンを語った。

 松沢成文県知事は「昨年の開国博Y150で上演されたオリジナルショー『ヴィジョン!ヨコハマ』が素晴らしく、多忙な宮本さんに断られるのを覚悟で芸術監督をお願いした。ジャンルを超えた、宮本さんの個性を生かした神奈川芸術劇場発の新しいソフトを、全国そして世界に発信していきたい」と、劇場の未来に期待を寄せた。

 「みなさんに『カート(KAAT)に行こうよ』と親しみを持ってもらえる空間にしたい」。宮本さんの任期は2010年4月から4年間。

 「多様な空間をもつ劇場ですが、大切にしたいのは『コミュニケーションの広場』。広場に来たら、さまざまな人と出会え、いろいろな事を考える事ができる、感じることが出来る。演劇を上演していないときにも人が集まる、『ハブ』拠点を生み出せれば」と語る。

 同日発表された劇場の開幕作品は、三島由紀夫さんの代表作「金閣寺」。1年を4シーズンに分け、オープニングでは日本文学作品を中心とした、日本を再認識できるプログラム上演を予定しているという。

 神奈川芸術劇場は、高さ約50メートル(NHKアンテナタワーを含めると約110メートル)の地上10階・地下1階建ての鉄筋コンクリート。建築面積=約4,900平方メートル、延べ床面積=約18,000平方メートル(NHKを含む全体面積=約24,000平方メートル)。客席に「床昇降システム」を導入した約1,300席のメインホールのほか、小劇場・稽古場・イベント会場などさまざまな用途に使用できる多目的スタジオ「大スタジオ」(約400平方メートル)、中・小スタジオ(約230平方メートル)、アトリエなど多様な設備を備える。同建物にはNHK横浜放送会館、駐車場を併設。

 宮本さんは1958年1月4日生まれ。出演者、振付師を経て、2年間ロンドン、ニューヨークに留学。帰国後の1987年、オリジナルミュージカル「アイ・ガット・マーマン」で演出家としてデビュー。横浜開港150周年のオリジナルショー「『ヴィジョン!ヨコハマ』~未来へ。そして紡いできたもの~」の作・演出を担当した。

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