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ジャズ喫茶ちぐさで「大船渡津波伝承館」建設費を支援するライブイベント

ジャズ喫茶「ちぐさ」の今野朝美さんは石巻市出身

ジャズ喫茶「ちぐさ」の今野朝美さんは石巻市出身

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 横浜市から「震災復興支援商店街空き店舗活用事業」の支援を受けて昨年に営業を再開した野毛の老舗ジャズ喫茶「ちぐさ」(横浜市中区野毛町2)が1月14日、東日本大震災で津波被害を受けた岩手県大船渡市に建設される「大船渡津波伝承館」の建設費を支援するライブイベントを開催する。

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 「大船渡津波伝承館」は、東北の銘菓「かもめの玉子」で知られる「さいとう製菓」の幹部らが、被災した同社跡地に建設を計画。映像や語りの他にも「体験ゾーン」などを設置して、後世に震災の学びを体感する場を提供する。今年3月のオープンを目指し、寄付金を募っている。

 イベントを企画したのは横浜に住む総務省防災図上訓練指導員の鈴木光さん。鈴木さんは震災前から防災の講座やワークショップ、学会の津波避難調査団を仕事としている。アマチュアのサックス奏者でもある鈴木さんは、昨年のゴールデンウィークに、所属するジャズバンド「横濱サクソフォニスト(濱サク)」のメンバーと共に津波の被害に遭った大船渡市のジャズ喫茶「h.イマジン」(大船渡市立根町)とジョニー(陸前高田市竹駒町)でのライブツアーを企画開催するなど、公私にわたり継続的な支援活動を続けている。今回は、これまでに十数回東北に足を運ぶなかで「大船渡津波伝承館」の建設計画を知り、音楽を通じての支援を申し出た。

 「濱サク」は横浜市内の音楽好きの社会人が集まり2009年に結成されたアマチュアバンド。サックス、ピアノ、ドラムなど約15人で、週末を中心に演奏活動をしている。

 今回のライブには「濱サク」のメンバーに加えて、11月から「ちぐさ」の店員として働き始めた石巻市出身のシンガー今野朝美さんも参加する。東日本大震災の当時は帰省しており、震災後の1カ月を被災地で過ごすことを余儀なくされたという。

 今回のイベントに向けて、「濱サク」の鈴木光さんは「自分の身は自分で守る、とにかく生き残る、という『さいとう製菓』の齊藤賢治さんのメッセージに強く共感しました。そのためにも、教訓を忘れてはいけないですし、東北にその教訓を伝える場ができることは、関東に住まう私たちも学ぶことがあると思っています」と話す。

 当日は16時30分開場。ライブは1stセット17時~18時、2ndセット19時~20時の2回。セット間に交流会を開き、「さいとう製菓」専務の齊藤賢治さんを迎えて建設計画についての話を聞く予定。ミュージックチャージは1stのみ500円(1ドリンク付)、2ndのみ1,500円(1ドリンク付)、両セット2,000円(2ドリンク)。チャージは全額建設計画費に寄付される。

 伝承館は、振込による寄付も募っている。東北銀行大船渡支店 普通5000417、郵便局は0225-8-119205。名義は一般社団法人大船渡津波博物館。

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