横浜にぎわい座で木ノ下歌舞伎の公演「心中天の網島-2017リクリエーション版-」

撮影|松見拓也(『心中天の網島ー2017リクリエーション版ー』京都公演)

撮影|松見拓也(『心中天の網島ー2017リクリエーション版ー』京都公演)

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 横浜にぎわい座(横浜市中区野毛町3)で11月6日、木ノ下歌舞伎による公演「心中天の網島-2017リクリエーション版-」が開幕する。

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 木ノ下歌舞伎は、歴史的な文脈を踏まえつつ、現代における歌舞伎演目上演の可能性を発信する団体。あらゆる視点から歌舞伎にアプローチするため、主宰である木ノ下裕一が指針を示しながら、さまざまな演出家による作品を上演するというスタイルで、京都を中心に2006年より活動を展開している。

 作品「心中天の網島」は、だらしなくも憎めない紙屋の主人・治兵衛、天真爛漫な遊女・小春、治兵衛を献身的に支える妻 ・おさんが織りなす愛と死のドラマ。劇中では、近松門左衛門の原作をもとに、その緻密なレトリックを読み解きながら、センセーショナルな心中事件の影に隠れた、人々の営みから描き出される世界を群像音楽劇として描く。

 演出・作詞・音楽を手掛けるのは、“妙ージカル” と呼ばれる芝居と音楽を融合させた独自の作品を生み出す劇団[FUKAIPRODUCE羽衣]の糸井幸之介。上演時間は約2時間15分。8日14時の回、11日18時の回の終演後は、主宰する木ノ下さんが演目レクチャーを実施する。

 木ノ下さんは、「私たちは京都を拠点に活動していますが、横浜は、第二の故郷。特に2010~12年の3年間は、京都と横浜の2拠点で活動していましたし、横浜のさまざまな方々、また場に支えてもらい、表現の幅も、人とのつながりも、各段に広がった。横浜という土地が、文化に対して寛容で、かつ、どれほど芸術を愛でているかということを身をもって知ったのもこの頃」。

 また、「団体設立10周年を祝して行う六演目ご公演連続上演の締めくくりは、何が何でも『横浜』でやりたかった。それも大変思い出深い『横浜にぎわい座(のげシャーレ)』という劇場で。見事、故郷に錦が飾れるかはわかりませんが、ささやかな、横浜への恩返しの公演になれば」と話している。

 会場は横浜にぎわい座・のげシャーレ。公演時間は日程による。チケットは一般3,800円、25歳以下2,800円、高校生以下1,000円、当日4,000円。横浜公演は11月18日まで。

 同公演は、木ノ下歌舞伎の旗揚げ10周年企画として、2016年から約2年にわたり5公演6演目を上演してきた「木ノ下”大”歌舞伎」の最終公演。2015年に木ノ下歌舞伎初の音楽劇として発表した作品を、ロームシアター京都のプロデュース事業「レパートリーの創造」として再創作した。10月京都を皮切りに、三重、香川、宮崎、横浜の5都市で全30回の公演を行う。

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