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TSUBAKI食堂「横浜18区丼」の全貌 食と農、人と人がつながる「地産地消」

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TSUBAKI食堂(横浜市中区本町6)は、横浜市の18区すべての区の「地元食材」でメニューを作る取り組みを2021年3月~2022年8月にかけて実施した。横浜の「地産地消」の魅力を詰め込んだ「横浜18区丼」、どんなメニューだったのか写真特集で全貌を振り返る。


横濱生まれの食材の魅力を伝える「濱の料理人」椿直樹シェフ

「TSUBAKI食堂」の18区丼 横浜を食と農でつなげたい

  横浜市役所内「ラクシスフロント」にある、「食」を通して横浜の魅力や「地産地消」が体験できるレストラン「TSUBAKI食堂」(横浜市中区本町6)は2021年3月2日から、市内18区のそれぞれの食材やストーリーを活用した「横浜18区丼」を開始した。

 「横浜18区丼」は、横浜を食と農でつなげたいと考えていた店主の椿直樹さんが、「丼」を素材に18区ごとの特色を浮き彫りにすることで、横浜の魅力を表現したいと始めた取り組み。市内にある18の区をテーマに、2022年8月まで、18カ月間かけ、月ごとに区を変えて18カ月間をかけて、月の前半と後半で各区2種のメニューを提供した。

始まりは旭区の「イチゴ丼」

 そんな「横浜18区丼」、第1弾は「旭区」をテーマに、区内で生産されるイチゴを使った「いちご丼」。「丼」といいながらも、姿はまるで「いちごパフェ」、生産者は二宮大輔さん。後半では「旭区野菜と豚トロ蒲焼き丼」、都市型農業が盛んな街・横浜の生産者、新川和生さんと藤又琢さんを紹介した。

 顔が見える生産者と繋がる「地産地消」、「横浜18区丼」の解説ポスターには、使用食材の説明とともに、必ず生産者の紹介が添えられている。

18区丼、写真&ポスターコレクション

 ここからは第2弾~第18弾の写真とポスターを一挙に掲載しよう。18区丼はポスターデザインも「ヨコハマ産」。「横浜18区丼」に、詰めこまれた魅力を、「NDC Graphics」(中区山下町1)が図解している。同社は、横浜市営バスのラッピングデザインにもなっている水玉柄の白い犬「ブルーダル」をデザインした会社で、生活者の視点から「気持ちのいい生活デザイン」を実現するデザインを心掛けているという。

 磯子区

 瀬谷区

 戸塚区

 金沢区

 鶴見区

 栄区

 青葉区

 都筑区

 保土ヶ谷区

 神奈川区

 西区

 港北区

 南区

 泉区

 緑区

 港南区

 中区

この秋、18区丼が復活

 全て眺めてみると、「これおいしかった」「あれ食べてみたかった」という思いを持たれた人もいるでしょうか。TSUBAKI食堂では9月下旬から、18区丼のうち、秋に素材が入手できる丼を、一部だが再提供する。9月下旬は港南区丼「カラフルトマト冷MEN!」、10月上旬が旭区丼「旭区野菜と豚トロ蒲焼き丼で、今後の構想は10月下旬=鶴見区丼「鶴見区野菜と穴子の一本揚げ定食」、11月上旬=戸塚区丼「戸塚いろどり小鉢定食」だという。

18区それぞれの地産地消

 TSUBAKI食堂で横浜18区丼を完成させた椿さん。横浜全体だけではなく「18区それぞれの地産地消がある」ことに改めて気付いた。「18通りの地産地消があって、ボトムアップすることで、横浜の地産地消ってすごい!となっていく。そんなイメージを、今は持っている」と話す。

TSUBAKI食堂のキッチンで椿直樹さん

魅力は「人と人とのつながり」 地産地消のノウハウ伝えたい

 今後もTSUBAKI食堂で地産地消の取りくみを続けるが、「地産地消を生業にしたいという人に、きちんと対面で伝えたい」との思いから、10月からは、生産者訪問やブランディング、事業計画の策定など10カ月間かけて、地産地消をビジネスにするために必要なことを学ぶ講座も始める。

 記事 >>「横浜18区丼」のTSUBAKI食堂がビジネス講座 地産地消を生業にする仲間募集

 椿さんは「地産地消の本来の価値は、野菜や肉、魚といった食材を介して地域の人が親しくなることではないかと思っていて、そういう人と人のつながりが大切だと強く感じている」という。今後も横浜で地域と「食」と「農」、そして人と人がつながる「地産地消」に取り組んでいく。

地産地消に取り組む仲間たちとともに

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