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横浜夢座が15周年記念公演「奇跡の歌姫 渡辺はま子」-戦争の悲惨さ語り継ぐ

横浜夢座「奇跡の歌姫 渡辺はま子」より

横浜夢座「奇跡の歌姫 渡辺はま子」より

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 横浜ランドマークホール(横浜市西区みなとみらい2)で1月24日から、横浜夢座第12回公演「奇跡の歌姫 渡辺はま子」が行われる。

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 横浜出身の女優・五大路子さんが座長を務める演劇集団「横浜夢座」の15周年記念企画。2001年に横浜で上演した話題作「奇跡の歌姫 渡辺はま子」を終戦70周年を迎える2015年に再演する。

 渡辺はま子(1910~1999年)は、戦前から戦後にかけて活躍した横浜出身の歌手。愛称は「おはまさん」。「支那の夜」「蘇州夜曲」「何日君再来」「ああモンテンルパの夜は更けて」など数々のヒット曲でチャイナメロディーの女王と呼ばれていた。

 渡辺さんは「命をかけて戦う兵士たちを歌でいやしたい」と、戦時中は積極的に中国を中心にした慰問の旅へ。終戦後は、フィリピン・マニラ近郊のモンテンルパに収監された旧日本軍の戦犯から送られてきた歌「ああモンテンルパの夜は更けて」をレコード化しヒットさせた。その後、108人の戦犯たちの前で歌い、同国政府に減刑・釈放を嘆願するために国交のないフィリピンへと命がけで渡った。翌年、大統領の特赦で受刑者全員が帰国した。同公演では、史実に基づいた生の舞台により、次世代に戦争の悲惨さを語り継ぎ、「平和」の大切さを訴える。

 脚本は、横浜を舞台にした小説を多く手がけている山崎洋子さん。演出=遠藤吉博さん。舞台監督=後藤恭徳さん。音楽監督=川崎絵都夫さん。出演=五大さんのほか、井上高志さん、武見龍磨さん、増澤ノゾムさん、松井工さん、まいど豊さん、伴美奈子さんほか。

 五大さんは「この作品を制作するにあたり、帰還した元日本兵たちによる『モンテンルパの会』メンバーの方々にたくさんのことを取材させていただいた。さまざまな方の強い思いを次の世代にしっかり伝えていきたい」と話している。

 チケットは一般=前売5,500円・当日6,000円、学生=前売3,500円・当日4,000円。スケジュールは公演日による。問い合わせは横浜夢座事務局(TEL 045-661-0623)。1月31日まで。

 「横浜夢座」は、「横浜からの演劇の発信」を目的に1999年に旗揚げ。これまで「横浜ローザ-赤い靴の娼婦の伝説-」、朗読公演「赤い靴の少女」母・かよの物語、ひとり芝居「横浜ローザ」、「野毛 武蔵屋~三杯屋の奇跡~」、「俣野町700番地 夢の国~ドリームランドへの手紙~」などを上演。五大さんは2008年に第29回松尾芸能賞演劇優秀賞。2012年には、横浜の文化の発展への貢献者に贈られる「横浜文化賞」を受賞している。今年4月に、公演開始20年を迎える「横浜ローザ」のニューヨーク公演を行う。

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