横浜市は、三溪園(横浜市中区本牧)と池谷家住宅(横浜市港北区綱島)という歴史的建造物の保存・活用を目的としたクラウドファンディング型ふるさと納税の募集を実施している。
三溪園は実業家・原三溪(本名:富太郎)によって明治末から大正末にかけて造園された日本庭園で、敷地面積は約17万5,000平方メートル。園内には京都や鎌倉などから移築された歴史的建築物が点在し、自然と調和した景観を構成している。その中でも旧燈明寺三重塔は、1457年(康正3年、室町時代)に建てられた関東地方最古の重要文化財の塔で、1914年に三溪園に移築された。戦後の修理から70年以上が経過し、部材の割れや沈下などが進行していることから、今後5年をかけて保存修理プロジェクトが実施される。
一方、池谷家住宅は1857年(安政4年)に建築された古民家で、かつて南綱島村の名主を務めた池谷家の住居であった。鶴見川の河川改修や日月桃(じつげつとう)という特産桃の栽培など、地域に貢献してきた歴史を持つ。現在、綱島駅周辺では再開発が進み、2023年には新綱島駅と直結する複合施設が開業。こうしたまちづくりと連動して、池谷家住宅は改修後、歴史を体感できる飲食店などとして活用される予定となっている。
今回のクラウドファンディング型ふるさと納税では、三溪園のプロジェクトに対し600万円、池谷家住宅のプロジェクトに対し300万円の目標金額が設定された。どちらも2025年12月31日まで寄附を受け付ける。返礼品としては、三溪園を舞台にした挙式・披露宴チケットやヨガ・坐禅体験、日本茶の食事付きツアー、陶芸体験などが用意されている。池谷家住宅への寄附では、幻の桃「日月桃」を使った地産エール「横浜綱島桃エール」や、建築史の専門家による古建築レクチャーとガイドツアーが提供される。
両プロジェクトとも、横浜の都市としての記憶や文化的資産を次世代へ継承することを目的としており、全国どこからでもふるさと納税制度を通じて寄附が可能。寄附者は所定の税控除を受けられ、市外在住者には返礼品が送付される。
開催期間は2025年10月3日から12月31日まで。寄附金額に応じた返礼品は、プロジェクトページで確認できる。