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「野毛おでん」が初のテークアウトランチ おでん7種と茶飯

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 100年以上の歴史を持つおでん店「野毛おでん」(横浜市中区吉田町2)が2月1日、1日30食限定でランチタイムにおでん定食のテークアウトを始めた。

おでん定食 上から見た図

 1903(明治36)年に蕪山鉄五郎さんが開業した同店は現在、4代目の蕪山武夫さんが店を継いでいる。武夫さんは1885(明治18年)開業の江戸前天ぷら店「銀座天國」で修業し、26歳から「野毛おでん」で働き続ける。おでんの黒色のつゆは父・雅志郎さんの代から65年ほど継ぎ足して味を守っている。砂糖もみりんも使わないこだわりを貫く。

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 以前は昼と夜の営業をしていたが、昨年4月の1回目の緊急事態宣言以降、ランチ営業は取りやめた。昼は価格競争が激しく、近隣他店にはワンコイン以下の弁当もある。「ランチタイムにも食べたい」という客の声に応えてきたが、昼の赤字を夜の売り上げで補っている状態だった。コロナで夜の売り上げも落ち、店を維持するため昼の営業を取りやめた。

 毎年夏は客数が落ち込むため「冬の貯蓄を夏用にとっておくが、昨年は5月連休までに貯蓄が尽きた」という。板前や従業員の勤務時間を短くしたり、パートの勤務日数を減らしたりし雇用を守ってきたが、「『昨年やった仕事は何?』と聞かれたら『金融機関から借金をしていただけ』って。どこの経営者もそうだと思うけれど…」と苦笑いする。

 テークアウトの形で10カ月ぶりにランチ営業を再開したのは、売り上げのこともあるが、従業員のことを考えての決断だった。「お客さんも大変だけど従業員も大変。板前さんたちが仕込みのため朝に来て、夕方までやることがないとなるとモチベーションが保てなくなる。休んでしまうと気持ちも心も戻れなくなる」と話す。30食限定としたが、今のところは半分程度の売り行きだという。

 できたてをすぐ食べてほしいとの思いから宅配はしていない。「小さい鍋で温め直すだけで味が変わってしまうから、弁当は熱いうちに食べてほしい」と希望を口にする。コロナ禍でおでんに込める思いは「体調を整えるには温かいものを食べるのが一番。火を通したものは体にいい」と話す。「クーラーや暖房で季節感が希薄になってきているが、冬はタラや白子、春先は菜の花や野菜と、季節感を持つことのできるおでんを届けたい」とも。

 テークアウトを利用した客は「絶品の出汁でよく煮込まれたおでんは茶飯とも抜群の相性。お弁当としておでんを食べることも普段しないので新鮮」と満足気だった。

 テークアウトは11時30分~13時30分。おでん7種と茶飯などから成るおでん定食は1,000円で、予約不要だが予約も受け付ける。1日6食限定、期間限定のうな丼(1,600円)は要予約。夜の営業時間は16時~20時。日曜定休。

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