野毛山動物園、ハミルトンガメの赤ちゃんを公開-4年連続繁殖成功

水玉模様が特徴のハミルトンガメの赤ちゃん

水玉模様が特徴のハミルトンガメの赤ちゃん

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 横浜市立野毛山動物園(横浜市西区老松町63)は7月29日から、今年誕生したハミルトンガメの赤ちゃんを一般公開している。

父親カメを抱える野毛山動物園の桐生大輔さん

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 同園は、ペット用に販売するために密輸され、ワシントン条約や種の保存法違反で摘発されたハミルトンガメを保護、飼育している。ハミルトンガメは、ワシントン条約では、今すでに絶滅する危険がある生物とされている希少種で、背甲や頭部に広がる白っぽい水玉模様が特徴。インド北部、バングラデシュ、パキスタンなどに分布し、河川や池、沼などに生息する。最大甲長は約40センチ。甲殻類や貝などを食べる。

 同園は、2009年に国内で初めてハミルトンガメの繁殖に成功し、1頭の子ガメが誕生した。その後も、2010年に4頭、2011年に5頭、今年は6頭(7月26日時点)の繁殖に成功。現在、同園ではオス1頭、メス4頭、不明10頭の計15頭を飼育している。国内動物園水族館でハミルトンガメを飼育しているのは、同園と東山動物園(名古屋)、丸山動物園(札幌)のみ。

 今回公開するのは、今年の5月27日・28日に誕生した子ガメ(性別未定)。産卵後、手作りの孵卵器(ふらんき)で温め、人工ふ化に成功した。ハミルトンガメは、1シーズンで2~3回産卵。今年は、3月30日、5月14日、6月8日・9日、7月9日に3頭のメスが30個以上の卵を生んだという。卵は白色の楕円形で、30数ミリ程度の大きさ。

 同園では、ホームページの飼育員ブログやフェイスブック、動画サイト「ユーチューブ」で産卵後の様子を公開していく予定。

 野毛山動物園 飼育展示係の桐生大輔さんは「今年はハミルトンガメの出産ラッシュ。7月に誕生した子ガメは元気に泳ぎ回り、現在5センチ弱ほどの大きさです。背甲の模様は大人になると消失するので、ぜひ水玉模様が美しい子ガメたちに会いにきてください」と話している。

 また、「1990年代後半からハミルトンガメの繁殖に取り組み、生息地の気候や環境条件を飼育下で再現するなど試行錯誤を重ねてきた。動物園としては原産国に戻すことが最終的な目標だが、春に野毛山動物園で開催している『動物たちのSOS展』で紹介することで、少しでも自然保護に役立てれば」とも。

 野毛山動物園では、8月26日まで毎週土曜・日曜、8月13日の限定で、開園時間を延長する「ナイトのげやま」を開催。「ナイトのげやま」実施日の開園時間は9時30分~20時30分(最終入園は19時まで)。通常の開園時間は16時30分まで(入園は16時まで)。毎週月曜休園(祝日の場合はその翌日)。入園料は無料。

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