横浜市が横浜松坂屋のアールデコ調の外観の保全を申し入れ

横浜松坂屋

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 10月に閉店することが決まっている横浜松坂屋(横浜市中区伊勢佐木町)について、横浜市は8月25日、建物の解体、撤去を発表した持ち株会社のJ・フロントリテイリングに外観の保全について協議を申し入れた。

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 横浜松坂屋は1921年竣工。特に保全を望む声が多いアールデコ調の特徴的な外観は1924年の増築時にデザインされたもので、骨組みには創建当時のものを残しており、歴史的建造物として価値が高い。横浜市は2004年に「認定歴史的建造物」に認定し、外観の保全改修工事に4,383万円を給付している。

 閉店は業績の低迷や、本館建物の老朽化が理由で、閉店後は低層階に商業・サービス機能を備えたマンションとの複合施設が新設される予定。専門家団体や市民からは保全を要望する意見寄せられており、市は「横浜松坂屋は横浜を代表する繁華街の歴史を体現する貴重な建物」とし協議を求めている。

 横浜市の申し入れでは、計画策定の際に学識経験者などの専門家の意見を聞きながら進めることや、外観を既存のまま保全し、その他の新しくつくる外壁面についても質の高いデザインとすることを呼びかけている。

 横浜市都市整備局都市デザイン室の秋元康幸さんは、「Jフロント側は『現在計画段階であるが、今後、計画を立てる過程で市と協議を行い、保全も含めて検討していきたい』と言っている。市内には馬車道にある日本興亜馬車道ビル(旧川崎銀行横浜支店)のように、古い建物の外観を残し新しい建築物と組み合わせている事例もある。市としては昔の面影を残すことを強く求めていきたい」と話している。

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