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吉田町にアートスペース「十六夜吉田町スタジオ」誕生-作品は独自プロデュース

十六夜吉田町スタジオのステージエリア

十六夜吉田町スタジオのステージエリア

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 横浜市中区吉田町に9月1日、アートスペース「十六夜(いざよい)吉田町スタジオ」(横浜市中区吉田町4)がオープンする。

吉田町プロジェクト代表理事の市村作知雄さんと制作スタッフの高橋マミさん

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 同スタジオは、約100平方メートルのスペースで、本格的な照明・音響機材と防音設備を備える。固定されたステージや椅子はなく、演劇、コンテンポラリーダンス、コンサート、美術展などパフォーマンスごとに会場設定ができる。1957年築の「第一共同ビル」1階の2間を、横浜市芸術文化振興財団「芸術不動産リノベーション助成」を受けて、アートスペースとして改修した。

 運営するのは一般社団法人「吉田町プロジェクト」(中区吉田町、市村作知雄代表理事)で、横浜市が演劇やダンスの稽古場として活用している「急な坂スタジオ」(西区老松町)とも連携し、舞台芸術を核とした地域の活性化にも取り組んでいく。

 十六夜吉田町スタジオの公演作品は、全て同スタジオがプロデュースし、作り手と一緒に作品を作り上げ、作品の質に責任を持つ恒常的な制作サポートを実施。1作品の公演期間は1カ月で、約25ステージを行う方針。回を経るごとに作品の向上を図ると共に、観客の口コミや評論記事が世に出ることで、一般の人々にステージを見てもらう機会が広がることを期待しているという。新人の発掘も行い、発表の機会を提供して、スタジオスタッフがサポートしながら育成を行う。

 2階にはコミュニケーション・スペースとしての「カフェ」もオープン予定で、ステージ観賞後も出演者たちとともに、余韻を楽しめる。

 スタジオのオープニングとして、十六夜の月の日にあたる9月1日より、振付家・ダンサーの井手茂太さんが旗揚げしたコンテンポラリーダンスカンパニー「イデビアン・クルー」による「涙目コーデュロイ」の1カ月ロングラン公演が行われる。同公演は「Dance Dance Dance@YOKOHAMA 2012」参加プログラム。

 スタジオ設立について、市村さんは「吉田町を選んだのは、アートをキーワードに変ぼうを遂げようとしている街だから。ここで『民間の力でアートスペースの運営はできるのか』という実験をやりたい。今はアーティストやアート関係者には非常に厳しい時代。だからこそ社会とアートの関係性をより強固にしなければ。場所自体に主体性がないレンタルスペース方式ではなく、自分たちが創造するスタジオによって、我々の性格や方向性をより明確に打ち出したい」と話している。

 また、同スタジオの制作スタッフの髙橋マミさんは「キャパは小さい小屋ですが、お客さんにとって居心地がいい空間をつくり、会場の特性を生かした斬新な作品を提供していきたい。観劇後も、周辺にたくさんあるステキなバーなどで、アートなライフスタイルを楽しんで欲しい」と話す。

 同スタジオでは、横浜とソウル(韓国)のアーティスト同士の交流を深め、都市間の連携によるフェスティバルの開催も計画している。

 スタジオが入居する「第一共同ビル」には、今年4月に建築・アート関連の書籍をそろえたライブラリーカフェ「Archiship Library&Cafe」が、7月には6部屋からなるアーティスト向けシェアハウスがオープンしている。

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