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関内で「東電福島第一原発廃炉図鑑」編者の社会学者・開沼博さんがトークイベント 

開沼さんは、2015年4月にも横浜・関内で、著書「はじめての福島学」を題材に、福島の現状をデータを紹介しながら伝えるトークイベントを開催している。

開沼さんは、2015年4月にも横浜・関内で、著書「はじめての福島学」を題材に、福島の現状をデータを紹介しながら伝えるトークイベントを開催している。

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 シェアオフィス「さくらWORKS<関内>」で7月13日夜、立命館大学准教授で東日本大震災以降の福島県について著作がある社会学者・開沼博さんを招き、「ラボ図書環オーサートークVol.37 福島第一原発廃炉図鑑~編者の開沼博さんに聞く~廃炉独立調査プロジェクト」が開催される。

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 50~100年の長期プロジェクトとなる「福島第一原子力発電所」の「廃炉」問題に焦点をあてた「福島第一原発廃炉図鑑」の出版目的や、現在の廃炉の状況、現場で働く人たちの環境や周辺地域の情報を紹介するほか、調査を担う「福島第一原発廃炉独立調査研究プロジェクト」(通称・廃炉ラボ)についても話が聞けそうだ。

 2016年6月に太田出版から刊行された「福島第一原発廃炉図鑑」は、A5判398ページ。「世界で初めて廃炉の現場の名実を正面から記録した出版物」として位置づけられている。

 開沼博さんのほか、漫画「いちえふ~福島第一原子力発電所労働記」(講談社・モーニング連載)の作者・竜田一人さん、元東京電力社員で、原発事故被災地域の次世代に託せる復興支援をミッションとする一般社団法人 「AFW」の 代表理事・吉川彰浩さんの3人の民間人が執筆を担当した。2016年時点、事故から5年目の福島第一原発の現状を網羅的に紹介している。

 今回のオーサートークでは、この本を企画した意図や本の特徴、今後の「廃炉」プロセスにおいて、首都圏の人間としてできることなどについて、開沼さんに話を聞く。

 また、アドリアナ・ペトリーナ著『曝された生 チェルノブイリ後の生物学的市民』を監修した科学ライターで今回の「廃炉図鑑」制作にも協力した、横浜市在住の粥川準二さんをコメンテーターとして招く。

 また現在、クラウドファンディングで資金調達中の民間・独立の調査研究プロジェクト「廃炉ラボ」についても触れる。この廃炉ラボは、「オープンサイエンス」という考え方を取り入れ、多様な人たちが参加し、多様な役割を担いながら、必要とする科学的調査を進め、情報を公開していくプロジェクトを目指している。

 開沼さんは「事故から5年が経ち、ようやく一般住民・民間の立場からその廃炉の現場の実態を調査することが可能な環境が整った。福島第一原発の廃炉の問題を理解したい、理解しなければと思っている人が多いが、正面からそれを扱った『この一冊を読めば網羅的に全体像を把握できる本』がなかった。マンガ・図・写真を使いながら子どもでも読めるように作ったので、ぜひ手にとってみてほしい」と話す。

 さらに、首都圏に住む市民に対しても「『事実を事実として共有すること』ができていない現状を変えたい。それは私たち自身が懸命に実態を調査し情報発信のあり方の工夫をする中で進んでいくと思う。その一つの受け皿としてクラウドファンディングを始め、開始から4日で100万円を超えるなど、寄せられた期待の大きさを感じている。ぜひご協力してほしい」と呼びかけている。

 オーサートークは19時~21時。参加費は1,000円。問い合わせ・申し込みはFacebookページか、メール(info@yokohamalab.jp)で受け付ける。

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