横浜市中区の国指定名勝「三溪園」(横浜市中区本牧三之谷)は、国指定重要文化財建造物「臨春閣(りんしゅんかく)」の内部を特別公開している。
臨春閣は、三溪園の創設者・原三溪(本名・富太郎、1868~1939年)が購入から移築完了まで11年の歳月を費やした建物で、内部には狩野派などの絵師による障壁画や、和歌をしたためた色紙をはめ込んだ欄間など、江戸時代の数寄屋風書院造の意匠が残る。通常は内部非公開だが、今回は三溪園の開園120周年を記念したイベントの第1弾として内部を公開する。見学は各回15人・20分の完全入替制で、建物内から新緑の庭園を眺める体験も提供する。
三溪園は、生糸貿易で財を成した実業家・原三溪が1906(明治39)年5月1日に一般公開した日本庭園で、今年5月1日に開園120周年を迎えた。約17.5haの園内には、廃仏毀釈などによる荒廃から守るため京都や鎌倉などから移築された建造物が配置されており、現在園内にある17棟の古建築のうち10棟が重要文化財、3棟が横浜市指定有形文化財に指定されている。
今回の特別公開は「神奈川・横浜デスティネーションキャンペーン プレキャンペーン」の関連企画としても位置付けられており、三溪園を軸にした観光誘客が狙いにある。期間中は、内苑の「聴秋閣」奥の遊歩道も特別開放(無料、入園料別途)されるほか、5月9日から17日には国指定重要文化財「旧天瑞寺寿塔覆堂」の特別開扉も実施する。
旧天瑞寺寿塔覆堂は1591(天正19)年に豊臣秀吉が母の長寿を祈って建てた生前墓を覆っていた建造物で、1905(明治38)年に三溪が内苑に移築した最初の古建築にあたる。
臨春閣特別公開の開催期間は4月29日から5月10日の10時から15時50分まで(各回20分・完全入替制・各回15名)で、参加費は1,000円(入園料別途)、対象は小学生以上、事前予約制。三溪園の入園料は大人900円、小中学生200円、横浜市内在住65歳以上700円。