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令和4年度の横浜市指定・地域文化財に「岩田家住宅」など4件

「岩田家住宅」外観(横浜市教育委員会提供)

「岩田家住宅」外観(横浜市教育委員会提供)

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 横浜市は12月15日、「岩田家住宅」(横浜市中区柏葉)ほか2件を横浜市指定文化財に指定し、「本牧十二天緑地」を横浜市地域文化財として登録する。

横浜市指定有形文化財 薬王寺の木造地蔵菩薩坐像

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 1912(大正元)年ごろに建築された岩田家住宅は、外国人向け住宅として横浜に現存するほぼ唯一の遺構で、外観にはベイウインドー(出窓)や塔屋などを採用。関東大震災前の横浜の外国人居住地に建つ中小規模洋館の典型例として考えられるほか、今までほとんど明らかにされてこなかった山手周辺部における外国人居住の様子を知る手がかりになるという。

 真言宗御室派薬王寺(金沢区)に伝来した「木造地蔵菩薩坐像」は、衣の袖や裾を台座にかけて長く垂らす形式の「法衣垂下像」。本像は頬が張り、引き締まった面貌や立体的な裳裾の表現などから、南北朝時代後期に多く作られたものよりややさかのぼる14 世紀半ば前後の製作と考えられる。

 正安寺(栄区)にある常緑の針葉樹「イヌマキ」は、親鸞聖人が手植えしたという伝承が残る古木。一部の古い枝が板状になっているが、その発達過程は謎とされている。板状枝の貴重な個体として、天然記念物に指定される。

 本牧十二天緑地は「本牧神社」(中区本牧和田)の旧境内地。「お馬流し」(神奈川県指定無形民俗文化財)の神事は、1566年に氏子たちが豊漁や悪霊退散などを祈願したのが始まりとされる。第2次世界大戦後に接収されたこの土地が国へ返還され、現在は石造の鳥居や加工された石材なども残る都市緑地として保存されている。

 これら4件の指定・登録によって、横浜市指定文化財は 169 件、横浜市地域文化財は 99 件になる。

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