
海鮮丼といえば、マグロかサーモン。貝はそのすき間に、ちょこんと置かれるものでした。
その常識に逆らった丼が、川崎駅近くにあります。株式会社サンライズサービス(本社:神奈川県川崎市高津区)が運営する海鮮丼店「THE漁師DON 川崎ダイス店」は、あさり・小柱・ホタテを主役にした新シリーズ3品の販売を開始しました。マグロもサーモンも、あえてのせない一杯があります。
価格は500円、700円、1,000円の3段階。発売からわずか数日で、この3品だけで丼の売上の約13%を占めるところまで来ています。
貝は扱いが難しい食材です。あさりは砂を噛み、小柱は数を揃えるのに手間がかかる。ホタテは大きなものほど値が張ります。
だから多くの店では、貝は「彩り」の役割にとどまります。丼の主役を張らせるには、量を盛る必要があり、量を盛ればすぐに価格に跳ね返るからです。
「貝をたっぷり食べたい」という声は、これまでもありました。応える店が少なかったのは、味の問題ではなく、値段の問題でした。
THE漁師DONを運営するサンライズサービスは、関東で50店舗を展開する宅配寿司「つきじ海賓」も手がけています。日々動かす魚介の量が大きく、仕入れ先との取引規模もそれに応じて大きくなります。
この取引の力が、貝にも効きました。特にあさりは特価品として卸してもらえる関係があり、
他店なら脇役にしか使えない量の貝を、主役として盛れるだけの原価で仕入れられます。
海鮮の値上がりが続くなか、貝を主役にした丼をワンコインから出せるのは、この仕入れの構造があるためです。
新シリーズは、貝の量と種類を少しずつ増やした3段構成です。まずワンコインで貝の味を確かめ、気に入ったら上の一杯へ進める設計にしました。
■ 始めの貝漬けDON(500円)
あさりと小柱を漬けにした、ワンコインの入り口。貝そのものの味を確かめられる一杯です。
■ 貝より始めDON(700円)
あさり・小柱に、中央のネギトロが加わります。貝とネギトロを一緒に味わえる一杯です。
■ 貝と北海DON(1,000円)
あさりと小柱だけで60g。そこに1個20g以上のホタテが2個のります。貝だけで、約100gです。
さらに、体長15cm以上・1尾約40gの赤海老が2尾。
海鮮の総重量は約180gに達して、1,000円です。この量を1,000円に収めている海鮮丼は、そうそうありません。

THE漁師DONは立ち食いカウンターの業態で、最短30秒で丼を提供します。注文から食べ終わるまで、昼休みの合間に収まります。

「正直に言うと、出発点は仕入れです。いい貝がいい条件で入るようになった。それなら、脇役じゃなくて主役でやらせてみようと思いました。
海鮮丼の主役はマグロだ、という決まりはどこにもありません。あさりの出汁も、小柱の甘みも、ちゃんと量を食べて初めて分かる味です。少しのせただけでは伝わらない。だったら、どっさりのせるしかない。
1,000円のほうは、あさりと小柱だけで60g盛っています。そこにホタテと赤海老を足すので、海鮮だけで180gある。正直、原価はぎりぎりです。それでもこの量でないと、貝が主役だとは言えません。
500円から用意したのは、まず食べてみてほしいからです。貝が好きな人にも、そうでもない人にも、一度この量で食べてもらいたい。それで気に入ったら、1,000円のほうへ進んでもらえればいい。始めたばかりですが、3品あわせて売上の1割を超えました。特に500円の貝漬けは、日を追うごとに出ています」
川崎ダイス店で販売しながら、お客様の反応を見て改良を重ねます。反響が続けば、貝の種類を入れ替えた季節版も検討します。
海鮮丼の主役を入れ替える。その試みが受け入れられるかどうかを、川崎駅近くのカウンターで確かめています。
店舗名:THE漁師DON 川崎ダイス店
所在地:神奈川県川崎市川崎区駅前本町8 川崎ダイスビル1F(京急川崎駅 徒歩2分)
営業時間:11:00~21:30
業態:海鮮丼専門店(立ち食いカウンター)
運営:株式会社サンライズサービス
会社名:株式会社サンライズサービス
所在地:神奈川県川崎市高津区
事業内容:飲食店の運営(海鮮丼「THE漁師DON」、宅配寿司「つきじ海賓」ほか)
TEL:044-455-4871