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横浜で「歴史を生かしたまちづくり」25周年イベント-限定カード集めるまち歩きも

表に建造物の写真、裏にその建造物の解説が書き込まれたカードは当日限定配布

表に建造物の写真、裏にその建造物の解説が書き込まれたカードは当日限定配布

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 歴史的建造物が数多く残る横浜市で11月10日、まち歩きやシンポジウムなどの「歴史を生かしたまちづくり」25周年記念イベントが開催される。

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 同イベントは、横浜市が街に残る歴史的建造物を保存・活用していくための「歴史を生かしたまちづくり要綱」を1988年に制定してから今年で25周年になることから、横浜市都市整備局と横浜歴史資産調査会(ヨコハマヘリテイジ)が主催して行うもの。

 第一部は、歴史的建造物を巡る「OPEN!HERITAGE 25 in 関内」(10時~14時、受付9時30分~15時30分)。旧横浜生糸検査所付属倉庫事務所(旧北仲BRICK・横浜市中区北仲通5)や横浜銀行協会(中区本町3)、東京藝術大学大学院映像研究科が入居している旧富士銀行横浜支店(中区本町4)など、関内エリアにかたまる25の歴史的建造物(一部は内部も公開)を見学しながら町を巡る。受付は耐震改修工事を控えた旧関東財務局(旧ZAIM・中区日本大通34)。参加費は1,000円。参加証の特製カードホルダーとマップを受け取り、各建物前で特別配布するカードを集める。

 第二部は、工学院大学教授の後藤治さんを迎えた記念講演とシンポジウム(16時30分~19時、16時開場)をBankART Studio NYK(中区海岸通3)で行う。シンポジウムのパネリストは、大野敏さん(横浜国立大学准教授)、兼弘彰さん(よこはま洋館付き住宅を考える会事務局長)、山本博士さん(宮川香山眞葛ミュージアム館長)、綱河功さん(横浜市都市デザイン室長)。コメンテーターは西和夫さん(横浜歴史資産調査会相談役)と米山淳一さん(横浜歴史資産調査会常務理事)で、コーディネーターは鈴木伸治さん(横浜市立大学教授)。また、講演にさきがけ、横浜の認定歴史的建造物所有者44件・54人に感謝状を授与する。参加費は1,000円(資料代)。

 第三部は同会場で行う交流会(19時10分~20時30分)。参加費は3,000円。

 横浜市都市デザイン室長の綱河功さんは「25年ということで、行政だけでなく、民間、専門家、市民との交流を深め、歴史を生かした街づくりの次のステージに進んでいきたい。OPEN HERITAGEでは関内エリアの歴史的建造物のたくさんある特徴的な街並みをカードを集めながら楽しんで知ってほしい。残っているのではなく残しているのだということを伝え、歴史を生かしたまちづくりのファンを増やしたい」と話している。

 横浜市の「歴史を生かしたまちづくり要綱」は、行政や企業が所有するものはもちろん、特に年を追うごとに保全保存が難しくなってくる個人所有の歴史的建造物を残していくため、民間支援を行う趣旨で1988年に制定された。歴史的建造物として認定されれば、行政と所有者、専門家がともにその建造物の保全活用計画を作り、保存方針や保全活用をはかっていく。改修には助成金も交付される。外観を保全し、内部は使いやすいよう改修できるなど、所有者の実情を反映させる弾力的な運用が可能なのが特徴的で、全国にさきがけ横浜市が制定した。現在、開港から昭和初期までに建造された85件が横浜市の歴史的建造物として認定されている。

 イベントは申し込み不要。問い合わせは横浜市都市整備局都市デザイン室(TEL 045-671-2023)まで。

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