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日本ナポリタン学会が洋食店「レストランすいれん」を認定店舗に

洋食店「レストランすいれん」日本ナポリタン学会認定式の様子

洋食店「レストランすいれん」日本ナポリタン学会認定式の様子

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 中区長者町の老舗洋食店「レストランすいれん」(横浜市中区長者町9、TEL 045-251-1397)が12月17日、日本ナポリタン学会による認定店舗に認定された。

洋食店「レストランすいれん」のナポリタン

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 日本ナポリタン学会は、ナポリタン愛好家により2009年9月7日に設立された市民団体。横浜発祥といわれるスパゲティ「ナポリタン」を日本の貴重な食文化として位置づけ、地域ブランド化を目指して活動している。

 同店のナポリタンは、1951年の創業当時から変わらぬ素朴な味わいが特徴。濃厚なトマトケチャップに特製のトマトソースをあえ、中華鍋で手早くいためることでソースの香ばしさと甘みを引き出している。麺は固めにゆで、具材のマッシュルームやピーマン、タマネギにはほどよい食感をのこす。価格は850円。

 創業メンバーの水野秀雄さんは、スパゲティナポリタンの発祥とされるホテルニューグランド初代総料理長サリー・ワイルさんの元で修行した経験をもつ。現在は、水野さんの息子である秀雄さんがその味を引き継いでいる。

 同店ホール担当の猪口和男さんは、創業時から60年以上勤続し、戦後横浜の街の移り変わりを見てきたひとり。「今はビルの2階にお店を構えるが、25年程前までは木造の2階建て店舗で48人の従業員が働いていた。コックの人数も多く、お料理を1階から2階へリフトで運んでいた時代が懐かしい」と振り返る。

 また、「かつては伊勢佐木町に芝居小屋がたくさん並び、街が大変にぎわっていた。外国人のお客様も多く、女優の岸恵子さんが映画『君の名は』の撮影中に、大船撮影所からよく足を運んでくださっていた思い出もある。この仕事は楽しく、トマトケチャップの効いたお店のナポリタンは大好き」とも。

 認定式では、日本ナポリタン学会の田中健介会長から同店3代目の店主・澤田寛さんに認定証が手渡され、澤田さんは「お店のナポリタンは洋食屋らしく、今のはやりではない昔ながらの味を大切にしている。家族4代でいらっしゃるお客様もいて光栄。これからも皆様に愛されるお店を続けてゆければ」と喜びを語った。「レストランすいれん」は、中区で4号店目、横浜で8号店目の日本ナポリタン学会認定店となる。

 日本ナポリタン学会の田中会長は、「レストランすいれんのナポリタンは、オーソドックスなようでひと手間もふた手間も加わった、洋食屋ならではのナポリタン。ホテルニューグランドの流れをくみ、地元・横浜へのアイデンティティーが強く感じられることから今回の認定に至った。今年はイタリアのナポリに出向き、横浜発・ナポリタンの味をナポリっ子に届けるなどおもしろいコトがいろいろできた。来年も日本ナポリタン学会として飛躍できれば」と話している。

 同店の営業時間はランチ=11時30分~15時、ディナー=17時~21時。月曜定休。

 スパゲティナポリタンは、中区にあるホテルニューグランド発祥の洋食メニューのひとつで、第二次世界大戦後、2代目総料理長の入江茂忠が、連合軍に接収されていたころ、軍用食として出されていたスパゲティとトマトケチャップをあえてつくった料理にヒントを得てオリジナルソースによって考案し、「ナポリタン」と命名した。

 日本ナポリタン学会は、12月21日にNHK番組「団塊スタイル」(Eテレ)の「昭和レトロなう!」で特集上映される予定。

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