BankARTで原口典之展「社会と物質」-NYK全体を使い大規模展示

「原口典之展-社会と物質」の3階ギャラリー「油のプール」

「原口典之展-社会と物質」の3階ギャラリー「油のプール」

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 BankART Studio NYK(横浜市中区海岸通3、TEL 045-663-2812)で、美術家・原口典之さんの展示「社会と物質」が開催されている。

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 同展は、1946年横須賀市出身の美術家・原口典之さんの、物質そのものに照準をあてながらも社会性のある作品群を、BankART Studio NYKの全スペース約3,000平方メートルを使い展示する大規模な展覧会。

 原口さんは1977年にドイツのカッセルで行われた現代美術展「ドクメンタ6」で高く評価され、その後さまざまな国、土地で作品を展開してきた。「ポストモノ派」・「もの派」と呼ばれる、物体、素材そのものを主役に見せる日本美術の流れから時代に呼応し、社会性を帯びた作品制作を続けている。

 今回の展示では、廃油を床の高さに配置して鏡面のように見せる原口さんの代表作「油のプール」のほか、今年初めから会場で制作してきた、戦闘機をモチーフにした7メートルの「アルミのファントム」や、10トンのゴム素材を使った作品「ゴムの彫刻」、アメリカ製の洗濯機のボディをつないだ「カラーレリーフ」などの9作品シリーズが配置されている。

 5月16日は舞踏家の田中泯さんによるダンス、17日はジャズトランぺッターの近藤等則さんのパフォーマンス公演のほか、22日以降毎週金曜日に「スカイホーク特集号制作チーム」、美術家の関根伸夫さん、田中信太郎さん、福住廉さんとの公開対談も行われる。

 BankART1929代表の池田修さんは「アメリカの豊かな物質社会を反映した作品、オイルマネーの時代に制作された作品など、常に社会を意識した作品が並んでいます。原口さんとの合言葉は、創造と物質、パワーと品格。ぜひこの力強い作品を見にいらして下さい」と話す。

 開催時間は11時30分~19時00分。入場料は一般900円、大学生600円、高校生300円(中学生以下65才以上無料)。会期は6月14日まで。

 会場の「BankART Studio NYK」は、1952年に港湾倉庫として建てられた建築物で、日本郵船歴史資料館を経て、2004年に横浜市が借り受け、2005年1月よりBankART Studio NYKとして多目的に活用されている。横浜トリエンナーレ2008の会場として使われた後、横浜に拠点を置く建築家ユニット「みかんぐみ」により、リノベーションされた。

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