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京料理のひとしなとして「懐石椀」のように仕立てるおうどん 横浜「京菜や」

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提供:京菜や 編集:ヨコハマ経済新聞編集部

 そごう横浜店(横浜市西区高島2)に京うどんの専門店「京菜や」(きょうなや)がオープンした。横浜駅からは徒歩約3分。東口地下街「ポルタ」経由で地下2階食品売場に直通、入り口を真っすぐ進んだちょうど突き当り。雨の日でも濡れずにたどり着く、アクセス抜群の立地にある。

京料理の一品として楽しんでいただけるよう「懐石椀」のように

 「うどん」ではなく「京うどん」という同店。「おうどんは一時の空腹をしのぐ『温石』(おんじゃく)ほどのものですが、京料理の一品として楽しんでいただけるよう『懐石椀』のように仕立てております」とあいさつを掲げている。

 おすすめは、おしながきの筆頭メニュー「利休うどん」(1,210円)。オーダーすると、まず運ばれてきたのは、うどんではなく、ひと匙のかやくご飯。思いがけない先付に驚きつつ、薬味(山椒とジャコ)の混ぜご飯を、海苔で巻いて頂く。芳醇な香りと味が広がる。「京料理のひとしな」としての楽しみがここから始まるかのよう。

始まりの逸品、手巻き寿司。先付けは素材を活かした気まぐれメニュー。

何が出るかは訪れるたびお楽しみ。9月中旬のある日は、鱧(はも)の酢味噌和えだった

 続いてメインの「利休うどん」。

この上に、中身が隠れるほどたっぷりのふわふわの胡麻(ごま)あんがかかっている

 利休うどんの名前は、ごまを使った料理を千利休が好んだことに由来する。千利休が提唱した「わび」とは「閑寂ななかに、奥深いものや豊かなものがおのずと感じられる内面的な美しさ」。あんの下からのぞく色とりどりの京野菜はまさに内面の美しさ。にんじん、ゴボウ、キノコ、水菜、湯葉、粟麩(あわふ)など季節ごとに旬の素材が並ぶ。

 適度な腰があり、もっちりとした喉ごしのうどんは、優しい味わいのつゆとなじむ。「この胡麻あんが人気なんですよ」と店主が言う。自慢の胡麻あんは「利休あんかけ」として+110円でどのメニューにも合わせることができるので、ぜひ掛けたい。

 小鯛を始め、十種類の天然素材をブレンドして、砂糖も塩も一切使っていないというお出汁からは、素材本来の甘みや旨味がじんわりと伝わる。

お出汁は、利尻昆布、真昆布、うるめ、めじか、鯖、鰹節、焼あご、平子鰯、鯛煮干し、冬菇、大豆など天然素材を配合

紅の麺を結んで願い事

 箸を進めていくと、白いうどんの中に、ほのかに紅色の麺がまざっているのに気がつく。これは京都祇園の八坂神社でご加護を祈願した麺で、願い事をしながら結んで食べると良いのだそう。

願いごと、叶いますように

 結んだ紅色の麺を、最後に頂いて、完食。心地よく満たされていると、差し出されたもう一品。

トマトの蜜煮とジュンサイ、季節によって変わるお楽しみデザート

 湯剥きされた小さなトマトは口にいれればほろりと溶ける、果物より上品な甘さ。幸せな味。最初のひと匙とこのデザートは、メニューには載っておらず、うどんだけを頼んだつもりでいたところに、なんだか特別な持てなしを受けたような気分になった。これが「懐石」の心だろうか。

一つ星シェフの味

 価格帯や店の雰囲気は「デパ地下」で気軽に入れる感じだが、何かそれを越えるものを感じ、店の成り立ちを尋ねてみた。

「京菜や」を手掛ける「株式会社マネジメント アソシエイツ・コーポレーション」の代表取締役社長・坂本守さんと、「京菜や」店長の尾江清樹さん

 坂本さんは1966年、横浜生まれ。北海道の老舗旅館・竹葉新葉亭での勤務や、大阪、京都の老舗料亭で関西料理を習得する経験などを経て、2006年にパンパシフィックホテル横浜の日本料理「植村」の総料理長に就任。2008年に取締役に就任した165年以上続く広島の老舗旅館「みやじまの宿・岩惣」では、2013年にミシュランガイドで一つ星を獲得した。現在、横浜では「京菜や」のほかに、京料理(おばんさい)と本格握り寿司を提供する「宵山むらさき」(中区尾上町5-70)を展開している。

関内の隠れ家のような「宵山むらさき」はコース料理が中心

 「京菜や」の店主をつとめるのは、坂本さんにとって兄弟子にあたる尾江清樹さん。生まれは京都の丹後。京料理の「美濃吉」や、京都東山の料亭「高月」で朝尾朋樹さんに師事、京の懐石料理を伝授された。その後、安芸の宮島にある「みやじまの宿・岩惣」の料理長に就任。坂本さんとともにミシュランガイドの星獲得に貢献した。

「京菜や」の由来

 店主の尾江さんが修行時代を過ごした料亭「高月」は、かつてうどんや「京菜家」から始まった。横浜で「京うどん」を始めるにあたって、今は無き、その高台寺・高月(京菜屋)の再興を期し「京菜や」と名付けたという。

 関西風のうどんを、京都をテーマに「都うどん」と位置づけ、京懐石とうどんを合わせた独自のメニューに。きつねうどんや、湯葉うどんにも吉野葛で餡をともし、厳選した生の土生姜、本山葵、朝倉山椒のほか、こだわりの一味、七味、黒胡椒、柚子七味などの薬味と共に味わう、関東に1店だけの京・都うどん「京菜や」が誕生した。

こだわりの薬味

セットメニューでゆっくりと

 一つ星料理人の味を、気軽に立ち寄ってカウンターで味わう贅沢もいいが、店内の奥には落ち着いて過ごすことのできるテーブル席もある。

カウンター席は6席

奥のテーブル席 4人掛けが2卓

 ゆっくりとセットメニューを楽しむのもおすすめ。十数種類のうどんのほかに、平日ランチタイム(10時~14時)と土日祝(10時~18時)は、限定メニューを選ぶことができる。

昼のランチメニュー

 土日はさらに食後に抹茶(お薄)が付く。

土日限定メニュー「よいやま」(2,200円) 京うどん(温・冷)・旬菜盛り・湯葉めし・天麩羅・生八つ橋とお薄

同「きょうなや」(2,200円)京うどん(温・冷)・旬菜盛り・あなご飯・天麩羅・生八つ橋とお薄

同「宇和島鯛めし」(2,200円)京うどん(青海苔・朧昆布・紀州梅)・瀬戸天然真鯛 櫃飯・薬味・旨出汁・生八つ橋とお薄

 天ぷらや白和えのほか、セットのご飯も逸品。湯葉飯はご飯が見えないほどの湯葉で覆われ、鯛めしは炊き込みではなく刺身の鯛をご飯と合える。うどんとおかずとあわせて贅沢三昧。

宇和島鯛めし 鯛の刺身をたっぷり卵のだし汁と絡めて、ほかほかご飯にのせる。お好みのだし汁をかける。うなぎの「ひつまぶし」を思わせるような食べ方。

 〆には「お薄と生八つ橋」。

八つ橋の発祥とされる1689年創業「本家西尾八つ橋」のもの。土日祝はこれもセットに含まれる。(単品=550円)

みやげ話しに おたべやす
都の饂飩(うどん)は 京料理

 お手頃価格ながら、京料理としての深みが随所にちりばめられた「京うどん」の「京菜や」。旬の京野菜を取り入れた季節ごとのメニューも並ぶ。

名物「京しっぽく」(1,320円)京の具材がいろいろ

 飲み物は、享保年間の1717年に京都で創業した日本茶専門店「一保堂茶舗」の水出し煎茶(グラス550円、デキャンタ1,100円)や、ビール、日本酒のほか、京都伏見のお稲荷さんゆかりの招福の酒・本格焼酎「まねきつね」(770円)や、南高梅発祥農園「紀州高田果園」で梅とブランデーと氷砂糖のみを使用して5年間熟成した特選梅酒(1,100円)など、こだわりの品が並ぶ。

 食べても飲んでも京気分。横浜駅からほど近いこの場所で、ひとときの安らぎと京の味。まずは一度、おいでやす。

INFORMATION

京菜や

  • そごう横浜店(横浜市西区高島2丁目18-1)
    地下2階 食品売場 イートインコーナー
    営業時間=10時~20時(ラストオーダー=19時)

テイクアウトメニュー 「宵山むらさき」で話題の「あなごとだし巻き」を自宅でも。

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