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【キーパーソンインタビュー】横浜市中区長 直井ユカリさん「主役は住民、FIFAワールドカップから続く市民の力」

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横浜を象徴する地域、中区の区長に4月に就任した直井ユカリさん。自身の経験も踏まえて、「今後の抱負」について話していただいた。


中区長室で

新型コロナウイルス対策とまちの活性化に取り組む

―――4月1日に区長に就任されました。その直後に緊急事態宣言が発令され、非常に制約も大きかったと思います。先日、その宣言も解除されましたが、区長としてまず何から取り組みますか。

 重要事業をまとめた「令和2年度中区運営方針」では、まずは、新型コロナウイルス感染症に関する対策・対応に取り組んでいくこととしました。「誰もが安心と活力を実感するまち中区 ~住んで良し、働いて良し、訪れて良し~」を基本目標に揚げつつ、そのリードに「新型コロナウイルス感染症対策に区役所一丸となって取り組み、区民の皆さまの命と暮らしを全力でお守りします」と掲げています。そして目標達成に向けた施策の第1も、「安全・安心で健やかに暮らせるまちづくり」としています。

 新型コロナウイルス感染症の影響で、多くのみなさまが不自由な生活を送られてきたと思います。また中区には、住民のほか、ビジネス・観光などで訪れる方も多くいらっしゃいますので、全ての方を対象とした対策を考えていかなければなりません。そのため、支援情報などをわかりやすく発信するほか、今後はまちを元気にする、活性化の取組に力を入れていきます。正直なところ手探りの部分もありますが、区全体で一丸となって取り組みます。

感染症や風水害を意識した防災対策が求められる

 これからの季節は風水害が発生する危険性が高まりますので、災害発生時に避難所で感染症をまん延させないための対策が必要です。避難所での感染症対策は以前から準備していましたが、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、今まで以上の対策が必要だと感じています。密集・密接・密室を避ける、そして手洗い、うがい、咳(せき)エチケットなど、感染症対策を意識した訓練も行っていく必要があると思います。

2002FIFAワールドカップから続くボランティアの活動

―――これまではどのような業務に関わってこられたのでしょうか

 区長就任直前は、市民局スポーツ振興部にいました。市役所採用後初めての異動で教育委員会事務局体育課に配属となってから、スポーツ振興に関わる部署で働くことが多く、結果的に市役所勤務の半分くらいはスポーツにつながる部署におりました。地域スポーツの振興から大規模スポーツイベントまで幅広く取り組みました。スポーツ関連以外では、環境創造局で地域の皆さまと身近な公園管理の業務を、水道局では水道水のプロモーション(広報・宣伝)や災害対策などに関わってきました。


2002FIFAワールドカップボランティア記録集

――― 最も印象深い業務は?

 日韓で共催された2002FIFAワールドカップですね。私は市民ボランティアに関する業務を担当していて、意欲に満ちた、多くの市民ボランティアの皆さまと活動したことが一番印象に残っています。

 通常、ボランティアの方々はイベント終了で解散するのですが、「解散するのはもったいない」と、皆様方で団体を立ち上げ、新しいボランティア活動を始められたのです。そして現在も、様々な活動を通して横浜のホスピタリティーを発揮してくれています。当時のボランティアの方々とのつながりは、私自身の最大の財産になっています。


2002FIFAワールドカップボランティア記録集より 指さす先が直井さん

東日本大震災の被災者から直接、感謝の声

 2011年3月11日に発生した東日本大震災の後、横浜市水道局は被災地に向かい、給水活動など様々な支援を行いました。水道事業は市町村単位で運営されていることが多いのですが、全国のネットワークがしっかりとできています。どこかで大きな災害があれば、全国各地から給水車が向かうなど、住民への給水継続のための相互応援の仕組みができています。 

 私自身が被災地に赴いたわけではないのですが、その後、被災地の方にお会いする機会があった時、「震災のとき、横浜市の水道局の方が来てくれてとても助かりました。感謝しています」というお声を頂きました。これは水道局職員冥利(みょうり)に尽きましたね。公務員を選んだ理由に、人の役に立ちたいという気持ちがありましたから。それを一番実感した場面でした。

横浜を象徴する中区は“多様性と多文化共生のまち"

―――中区の特徴は? また、どんなまちづくりを目指しますか。

 横浜を代表する景観が集まっているまちですね。テレビなどで「横浜」として映る景色のほとんどが中区のものだと思います。開港からの歴史ある港や、緑が美しい丘、また元町や中華街など魅力的な町もあります。


中区役所新庁舎は、1983年(昭和58年)11月、日本大通に完成

 住民の方々も多様性があり、外国籍の方も多く住んでいます。日本で生まれ育った方もいますが、来日されて間もない方は言葉の不安もあり心細く感じていらっしゃると思います。受け入れる日本人住民にも理解してもらい、お互いを認め尊重しあう多文化共生社会を目指します。

 また、現在推進している「中区地域福祉保健計画 中なかいいネ!」など、子どもから高齢者までともに支え合うまちづくりを進め、地域の活力を一層高めていきたいと思っています。子どもから大人まで、また国籍や障害の有無に関わらず、住んでいる人がお互いを理解しあい、中区民だと実感できる関係性ができればと思います。

 そういう意味では、スポーツは、年齢にかかわらず、また言葉が十分伝わらなくても楽しめるものです。スポーツ振興に長く関わったこともあり、スポーツを通じて、誰もが安心できて住みやすいまちづくりができたら、と考えています。


代々の区長の指名が並ぶ中区長室

中区の主役は住民の皆さま

―――区民の皆さんへメッセージを

 横浜を代表するまちである中区の主役は、住民の皆さまです。区役所も一緒に住みやすいまちづくりを目指していきますので、要望や提案をお寄せいただければと思います。お待ちしています。


第40代に直井さんの名が加わった

 

直井ユカリさん略歴
幼少期は大阪府で過ごす。小学校4年生で横浜へ。1984年、横浜市役所入庁。大学時代は経済を学んだことから財政や税に関心があり、また誰かのためになる仕事がしたいという思いから、市職員の道を選ぶ。市体育協会(現市スポーツ協会)への出向や市水道局、市民局スポーツ統括室を経て、2020年4月に中区長に就任。スポーツはするのも見るのも好き。高校から始めた登山は今も続けている。海外の山に挑戦した経験も。

 

インタビュー・構成・文 三澤一孔 撮影 紀あさ +ヨコハマ経済新聞編集部
2020年5月27日 横浜市 中区役所 区長室

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