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「龍が如く」の仮想都市「伊勢佐木異人町」をゼンリンが地図化 精巧さにセガ感嘆

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地図情報を扱うゼンリン(本社=福岡県北九州市)は、セガ(本社=東京都品川区)のゲーム「龍が如く7 光と闇の行方」の舞台である仮想都市「横浜・伊勢佐木異人町」を住宅地図化した。

仮想都市「横浜・伊勢佐木異人町」


精巧に表現された「イセザキロード」ゲート(「龍が如く7 光と闇の行方」より) ©SEGA

 きっかけは、ゼンリンの公式Twitter担当者(以下、中の人)が「実在しないゲーム内の空間を住宅地図化したら面白いのでは」と考え、「地図の日」である4月19日にセガの公式Twitterアカウントにコンタクトをしたこと。

 「伊勢佐木異人町の住宅地図勝手に作ったら、セガさん怒ります??」(4月19日ゼンリン公式Twitterより)

 「えっ」(5月8日セガ公式Twitterより)

 

 ゼンリンは投稿から19日後に地図を完成させ、セガの許諾を得て、同日一般公開した。

 「伊勢佐木異人町の住宅地図つくってみた!!龍が如くスタジオのみなさまに敬意をこめて…ゲーム内に登場する伊勢佐木異人町を、1軒1軒回って住宅地図つくりました!」(5月8日ゼンリン公式Twitterより)


「伊勢佐木異人町の住宅地図つくってみた!!」 ©ZENRIN Co.,Ltd  ©SEGA

地図は、歩いて現地調査!

 ゼンリンが実際に住宅地図をつくる際は、現地へ直接足を運び、目視で公開情報や建物の形状などを確認する。

 ゲームの舞台「伊勢佐木異人町」の地図作製では、ゼンリンの「中の人」が「龍が如く7」をプレイし、実際の地図作りと同様に、1軒ずつゲーム内の建物を回って調査した。


「龍が如く7」の主人公である「春日一番」さんが1軒1軒回って調査 ©SEGA

 地図にしたエリアは、「龍が如く7」でジョブチェンジができる「ハローワークみさき」がある職安街エリアと、作品内でも重要な場所となる「乙姫ランド」などがある風俗街エリア。


仮想都市「横浜・伊勢佐木異人町」エリアマップ。下方のエリアを住宅地図化した。 ©SEGA

 同エリアを選んだ理由は、ゲームの序盤の舞台で、プレイし始めて数時間で通る場所のため、初めてプレイする人でも立ち止まったことがあるだろうから。

 調査には約4時間、地図を書くのに約5時間かかった。「通りの名称や、中央通りが一方通行であることなど、実際の住宅地図で丁寧に書く部分は、伊勢佐木異人町でも忠実に再現した」という。平屋でない建物については、2階や3階の店名等も記載。ただし外観に店名が表示されていない場合は、記載無しにした。ゼンリンには「誰でも参照できる情報を元に地図を作る」というポリシーがあり、例えば外観から分からない「会員制の秘密のクラブ」のようなものがあった場合は地図には書かれない。


完成前の手書き地図 ©ZENRIN Co.,Ltd

 さらに、セガ提供の詳細なデータを参考にすることで、家の形の全てが四角ではなく一部の角が欠けている場合があるなど、よりリアルな「家形枠(かけいわく)」を記すことができた。

ゼンリン制作秘話 危険な体験やこだわりポイント

 2005年の「龍が如く」初作の発売以降、全編をプレイしているという「中の人」に、「調査中に物を壊したり、人にぶつかったり、悪い人に絡まれたりしなかったか」を尋ねた。「闊歩していると、チンピラに絡まれることのあるゲームですが、絡まれないためのお守りがあり、そのお守りを持って安心安全に調査しました」とのこと。


伊勢佐木異人町でのバトルシーン。チンピラに絡まれる「春日一番」さん ©SEGA

 「仮想の街の地図を通じて、住宅地図の面白さを届けたかった」という「中の人」。地図化にあたってのこだわりポイントは住宅地図としての正確さ。「駐車場の表記は『丸のついたP』とついてないものの2種類あります。丸がついた方は時間貸しの駐車場です。この違いは、ゲームをしていれば分かります」と笑った。


ゼンリン作成地図に、編集部が矢印を加筆 ©ZENRIN Co.,Ltd

セガ、地図の完成度に感嘆 世界観にリアルさ

 「龍が如く」で横浜が舞台となったのは、どういう経緯だったのだろうか。ゲームを作ったセガ担当者に尋ねると「基本的には、物語の設定に合わせて、相応しい舞台を決めています。シリーズの主要舞台である東京・神室町の近くにありながらも、大阪を拠点とする敵対組織『近江連合』の支配下にない土地としていくつか候補を出し、最終的にゲームの舞台として、エリアごとに特徴があり、バラエティに富んでいた横浜を採用しました」と話してくれた。

 また伊勢佐木異人町の街並み表現においては「細かな作り込みはもちろんですが、近景や遠景を含めたランドスケープとして、横浜らしい港町の雰囲気を出しました」という。主に背景班と呼ばれるデザイナーが現地取材を行い、5名ほどのユニットで、10日間ほど取材、建物などを写真撮影し、CGにした。


「関内」ならぬ「神内駅」から列車が発車 ©SEGA

 同担当者は「ゼンリン様作成の地図の完成度の高さを見て、より一層、世界観にリアルさを感じることができました。ゲーム内での街歩きもより楽しくなると思いました」と絶賛。今後のコラボレーションの可能性は「機会があれば是非検討させていただきたいです!」。

編集後記

 ゼンリンのTwitter公式アカウントは、2011(平成23)年の東日本大震災時に、地図情報を発信する必要があると感じて開設された。母の日に母と付く地名を探すなど「地的なネタ」(地図的なネタの意)の発信も特徴となっている。

 ゼンリン社員には、街並み表現の精巧さから「龍が如く」ファンが多く、ほかには位置情報系の「Pokémon(ポケモン)GO」や、空間把握系ゲーム「Ingress(イングレス)」も人気が高いという。

  セガの「龍が如く7」では、本文中で紹介した以外にも、「横浜」を思わずにいられないシーンが満載となっている。地図を入り口に、さらなる散策を楽しみたい。


横浜らしい港町の風景も表現されている ©SEGA


©SEGA


©SEGA

紀あさ + ヨコハマ経済新聞編集部

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