横浜開港資料館で「コスモポリタンたちの1世紀」展-160点展示

2度の戦火と震災をくぐり抜けた「ミュンヘン製の民族楽器チター」 

2度の戦火と震災をくぐり抜けた「ミュンヘン製の民族楽器チター」 

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 横浜開港資料館(横浜市中区日本大通3)で、企画展示「横浜山手 コスモポリタンたちの1世紀」が開催されている。

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 かつて横浜の外国人居留地に住んでいた外国人商人たちの軌跡をたどる貴重な資料を公開し、関東大震災や第2次世界大戦をくぐり抜けてコスモポリタンを築き上げた欧米外国人社会の歴史を紹介する。

 展示資料はこれまで一般公開されていなかった家族の写真や記念写真、食器類、調度品、銀製ネーム入りコンパクトやペンダント、帽子かざりなどの女性の装飾品、家計簿やレシピ、楽器など約160点。

 山手の昔の風景・暮らし、外国人居留地社会の繁栄、居留地制度撤廃とその後、第1次世界大戦と外国人社会、資料に刻まれた家の記憶、統計から見た横浜外国人社会の変容など、それぞれのテーマで紹介する。

 資料は、2度の戦火と震災をくぐり抜けた「ミュンヘン製の民族楽器チター」(フランツ・メッガーさん蔵)、写真「都田村(現、都筑区池辺町)で再生したフェリスの風車とデンマーク人グラン一家」(ウィリアム・F・マールさん蔵写真アルバムから)。

 「戦前のデンティチ家の家計簿」(1925-30年、リナ・デンティチさん蔵)、イタリア系商社デローロ商会の日本人番頭に贈られた「創立六十年紀年デルオロ商会」銀杯(1928年、渡辺治さん寄贈・横浜開港資料館蔵)、イギリス人競売人イートイン愛用の「象牙のハンマー」(深津まきさん寄贈・横浜開港資料館蔵)など。

 横浜開港資料館広報担当の川原照美さんは「山手に住んだ欧米外国人に視点をおいた企画展示は今回が初めて。当時の人々の生活を垣間見る事のできるプライベートな品々を多数展示しているので、幕末から戦後までの約1世紀に渡る山手の外国人社会のありのままの様子を見る事ができます」と話す。

 開館時間は9時30分~17時(入館は16時30分まで)。入館料は大人200円、小中学生100円。月曜休館(月曜日が祝日の場合は翌日)。10月24日まで。

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