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初音町「アートアンドシロップ」で台湾出身のアーティスト・呉庭鳳さん個展

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 横浜市中区初音町のアートアンドシロップ(横浜市中区初音町3)で、台湾出身のアーティスト、呉庭鳳(ウー・ティンフォン)さんによる個展「呉 庭鳳 片刻~ひととき」が開催されている。

アートブックが多数並ぶイベントスペース「Art and Syrup plus」

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 呉さんは1997年に台湾・新北市で生まれ、台湾国立嘉義大学視覚芸術学科を卒業後、台湾国立台北教育大学大学院で芸術造形を修了。2023年には台北市と横浜市のアーティスト交流プログラムで招聘され、BankART1929で滞在制作を行った。2024年からは黄金町エリアマネジメントセンターのアーティスト・イン・レジデンスに参加し、横浜を拠点に創作活動を展開している。

 展示されている作品は、水墨画や日本画の技法を取り入れた繊細なタッチが特徴で、柔らかな色彩と筆致で描かれた日常の断片や身体の一部、風景などが主なモチーフとなっている。本展では、横浜での暮らしの中で出会った記憶や風景をもとにした新作が中心で、一瞬の感情や場面を手のひらに包むような視点で描いたドローイングや絵画を展示している。

 展覧会の期間中には、呉さん自身が講師を務めるワークショップ「思い出のスイーツを描く」も開催され、参加者が自らの記憶や経験をもとに作品を描く機会が設けられた。地域住民との交流も積極的に行い、横浜のアートコミュニティとの結びつきを深めている。

 アートアンドシロップはカフェと展示スペースを兼ねたアートギャラリーで、アーティストの活動発表の場としてだけでなく、地域住民とアートをつなぐ交流拠点としても機能している。来場者は会場で提供されるドリンクやスイーツを味わいながら、作品を鑑賞することができる。

 呉さんは、これまでに横浜ではBankART Station(横浜)での個展「呉 庭鳳 “日日是好日”」(2023年)などを開催しており、伝統技法と現代的な感性を融合させた作品で注目を集めている。

 呉さんは「私の作品の中に自分自身の瞬間を見つけてもらえたら。偶然出会って、ほっとするような雰囲気を感じてほしいし、私が歩んできた足跡と、見てくれる人の足跡が重なるような、そんな感覚を味わってほしい」と話している。

 「呉 庭鳳 片刻~ひととき」展は5月29日まで。

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