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nitehi worksに巨大な真紅のドレス-「むせかえる世界~横浜若葉町」

砂山典子「むせかえる世界」より©Norico Sunayama

砂山典子「むせかえる世界」より©Norico Sunayama

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 若葉町の古ビルを既存再生したオープンスペース兼カフェ「nitehi works」(横浜市中区若葉町3)で4月29日から5月8日まで、作家・砂山典子さんの展覧会「むせかえる世界 ~横浜若葉町~」が開催される。

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 「むせかえる世界」は、1995年にジョンケージ「ローリーホーリーオーバーサーカス展」(水戸芸術館)で発表後、京都、横浜、パリ、バルセロナなど国内外を巡回したライブ・インスタレーション。砂山さんのライフワーク的作品で、カフェでの展示は初の試みとなる。若葉町の映画館「シネマ・ジャック&ベティ」の1階に拠点を置く、アーティストによる非営利団体「ART LAB OVA(アート・ラボ・オーバ)」が企画した。

 会期中は、「女性」パフォーマーが全長約20メートルの巨大な真紅のドレスを身にまとい、観客は高さ2メートルの「女性」を外から、あるいは、スカートの中に入って鑑賞できる。ドレスは日替わりでボランティアが着用する。

~「むせかえる世界」へようこそ。
女性は、その腕力の無さゆえにスカンクの状態を夢見みる
-----エレベーターの中、人気の無い路地、夜道の一人歩き
-----私は、TPOに対応できるスカンクになりたい。
暴力には毒ガス。愛にはブルーラベンダーの香りを。
汚れるのが嫌だから、スカートの上を歩かないで。
しっかりかぶって私のとこへいらして、ね。
(砂山典子「むせかえる世界」より引用)

 会場はnitehi works1階「オープンスペース&カフェ」。開催時間は14時~19時(5月2日・6日は17時~21時)。1オーダー+カンパ制。

 ART LAB OVAの蔭山ヅルさんは、「今回のプロジェクトは、砂山さんの作品によって、若葉町にある独立系の3つのアートスペース、nitehi
works、横浜パラダイス会館、シネマ・ジャック&ベティを結ぶものであり、また、助成金や行政に頼らずに自立的に展覧会を成立させるために、市民がボランティアとして、観客がカンパを通して作品に参加することに重要な意味があります」と語る。

 そのほか、ART LAB OVAが映画館の1階で運営しているアートスペース「横浜パラダイス会館」では、砂山さんの未公開写真展「わたしのタイランド★コップクンカー」(鈴木カズキ×スナッチ)や、ダムタイプなど砂山さんの過去作品が鑑賞できる「スナッチ*マン喫」、ホームレスでアーティスト活動をしているいちむらみさこによる「コジキャル・スナック」などの関連イベントを実施する。

 また、5月7日には、シネマ・ジャック&ベティで、現代美術家・高嶺格さんの、しょうがい者の性を題材にしたことで話題になった映像作品「木村さん」(9分)も、横浜で初上映する。重度身体しょうがい者である木村さんの介護経験も「むせかえる世界」という作品に反映されているという砂山さんとART LAB OVAのトークもおこなう。

 横浜出身の砂山さんは、舞踊家・黒沢美香に師事。黒沢美香&ダンサーズを経由し、美術家集団・ダムタイプのパフォーマーとして90年から全てのパフォーマンス作品を制作、並行してさまざまなパフォーミングアート・ユニットを結成し活動している。石橋義正監督の映画「狂わせたいの」にも出演している。

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