東京芸大が映像の次世代を考える「馬車道エッジズ」-無料公開講座

「The-Sound-of-Music」(フィル・ムロイさん作品)

「The-Sound-of-Music」(フィル・ムロイさん作品)

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 東京藝術大学大学院映像研究科(横浜市中区本町4)で7月11日より、映像の次世代を考える公開講座「馬車道エッジズ」がスタートする。

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 「馬車道エッジズ」とは、映画、アニメーション、メディアアートなどの映像文化に取り組んできた同大学院研究科が、次世代に向けた新しい局面(=エッジ)的役割を目指して開催するもの。公開講座では、コンテンツのプロデューサーに着目し、最先端のアニメ表現を紹介しながら映像文化の青写真を描き、作家側からの新しい表現への模索を行う。

 今回は、2つの公開講座「現代映像プロデュース論」と「コンテンポラリーアニメーション入門」を無料で実施する。

 「現代映像プロデュース論 ~最もホットな人の、最も新しいビジョン~」では、世界的なポジションを狙う、旬のクリエーティブリーダーやプロデューサーらを招き、世界進出の成功談や苦労談、日本のアニメ制作や流通の構造的改革への提言、作家と監督とのチームワークなどについて語ってもらう。

 7月11日の第1回は、第81回米国アカデミー賞・短編アニメーション賞を受賞した「つみきのいえ」の創作場「ROBOT アニメーションスタジオ CAGE」の生みの親であるロボット社のアニメーション作家・野村辰寿さんが、ユニークな企業内ユニット「CAGE」について語る。開催時間は16時~18時。

 「コンテンポラリーアニメーション入門 ~現代短編アニメーションの見取り図~」では、世界的に「いま」を象徴するアニメ作家の作品鑑賞と講義を通して、短編アニメーションの基礎知識を共有し、実際に現代短編アニメーションの見取り図が描けるようになることを目指す。

 18日の第1回目のテーマは、「人間の愚かさを笑い飛ばせ、フィル・ムロイ」。イギリス人アニメーション作家フィル・ムロイさんの、ガイコツのようなキャラクターとシンプルなアニメ技術を用いた、人間・社会・宗教の本質を描く作品を鑑賞後、同大学院アニメーション専攻の山村浩二教授が講義を行う。18時~19時30分、先着80人。いずれも参加費は無料で、会場は同大学横浜校地馬車道校舎(事前申込制)。

 同大学院助手の若見ありささんは「山村教授は世界を代表するアニメーション作家でもあり、世界的作家と交流を育んでいるアニメーションの研究者でもある。今回の講座は、貴重な作品を見ながら、作家同士の交流を通した同時代の創作者の視点からの現代のアニメーションを取り巻く状況、作家論、作品論を聞けるまたとない機会です」と話す。

 東京藝術大学大学院映像研究科は2005年、学部を持たない独立大学院として映画専攻が発足。2006年にメディア映像専攻を設置、2008年にアニメーション専攻が設立された。

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