コロンバがBankARTで「シンデレラ」物語の起源を探る現代劇

演出・脚本の石神夏希さん

演出・脚本の石神夏希さん

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 横浜を拠点に活動する演劇集団「COLUMBA(コロンバ)」は4月17日から19日まで、BankART studio NYK(横浜市中区海岸通3)で新作公演を行う。

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 作品の題材は、紀元前8000年前・新石器時代から語り継がれてきたといわれる身近なおとぎ話「シンデレラ」。エジプトを舞台にしたものや楊貴妃を題材にしたものなどさまざまなバージョンが世界中で語り継がれているという。「シンデレラ物語はどのように誕生し、なぜ愛され続けるのか」、さらには「その後のシンデレラは、また、選ばれなかったほかの娘たちはどうなったのか」などの切り口で、2002年にかながわ戯曲賞最優秀賞も受賞した演出家の石神夏希さんが作品にした。

 7人の俳優たちと共にエチュード(即興の芝居)や稽古を重ね、こうした疑問の答えや、物語の起源やそこにある人間の心理を探ってきた。本番では会場となるBankART studio NYKのコンクリートに囲まれた空間を駐輪場に見立て、ガラスの靴ならぬ、1台の放置自転車とその持ち主の少女をめぐる人々の物語を送る。

 石神さんは「シンデレラは、本当は特別な女の子ではなかった。だからこそ、選ばれずに残された人たちは『なぜあの子が選ばれたのか』と考え、物語を生んだのではないか。私自身も女性として、彼女が選ばれた理由が気になる。でも最終的には『選ばれる/選ばれない』のむこうに、自分の手で運命をつかみ直すシンデレラを描きたいと思う」と話す。

 COLUMBAは、1999年に慶應義塾大学の学生が中心となり結成し、横浜で活動していた劇団・ぺピン結構設計を主宰する石神さんが、結成10年を前に自らの創作活動を再考したいと始めたユニット。今回の公演でいったん活動を休止、今後は「再設計」した同カンパニーで演劇活動を続けるという。

 開演時間は17日19時30分、18日15時と19時30分、19日15時。17日の公演終了後には、ブックピックオーケストラ代表の川上洋平さんを、18日15時30分の公演後には「中野成樹+フランケンズ」主宰・演出家の中野成樹さんを招いてポスト・パフォーマンストークも行われる。料金は前売2,500円、当日2,800円、高校生以下1,500円。問い合わせはCOLUMBA(TEL 090-8455-5978)まで。

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