
横浜市中区本町6丁目の横浜市役所で4月16日、銅板職人の玉田正さんに対する感謝状の贈呈式が行われた。横浜市が選定する「横浜マイスター」として27年間活動してきた功績をたたえるもので、当日は工藤経済局長から直接手渡された。
玉木さんの指導で生徒が作成した銅板プレートを持つ工藤経済局長
玉田さんは1997(平成9)年度に第2期の横浜マイスターに選ばれ、以降、市内の小学校などで銅板画の指導を続けてきた。横浜市によると、玉田さんは横浜生まれ横浜育ちで、自動車会社の学校を経て、兄が経営する銅工店で板金工の見習いとしてキャリアを始めた。その後、岡野町の師匠に弟子入りし、25歳で独立。東海大学の総合体育館、三溪園(三溪記念館)、相模原市の米軍キャンプなどの大型施設における屋根工事で現場責任者を務めるなど、長年にわたって技能の高さを証明してきた。
特に神社や仏閣といった伝統的建築物の屋根や外壁の工事では、建物の景観と調和した施工に力を入れ、その技能は業界内でも高く評価されている。こうした実績を背景に、玉田さんは学校や地域イベントでも技能の魅力を広く伝える活動を行い、次世代への技術継承にも貢献してきた。
16日と17日には、横浜市役所2階プレゼンテーションスペースで、玉田さんが長年培った技術による銅板画の作品が展示と「横浜マイスター事業パネル展」が行われ、横浜市が推進する技能職人支援の取り組みを紹介した。
授賞式で玉田さんは「職人のくせに教えることも大好きで、横浜市の学校での指導は26年間続けてきて、6800人に伝承することができた。今回の受賞は大変光栄。これからも後世に技術を伝えていきたい」と話した。
横浜市では1996(平成8)年度から「横浜マイスター」制度を設け、生活や文化に貢献する卓越した技能職者を選定している。選定された職人たちは、技能の普及や後進育成に取り組み、技能文化の継承を担っている。