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市川徹監督の90作目「SWANEE 野毛探偵事務所」、CFで映画の制作費募る

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 横浜出身の映画監督、市川徹さん(72)が、長編映画90作目となる「SWANEE 野毛探偵事務所」の広告宣伝・公開費用の支援を募集している。

市川監督引退前に一番好きな映画を 30日シネマノヴェチェントで

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 市川徹さんは横浜で生まれ育ち、1972(昭和47)年、テレビ神奈川に入社。音楽番組「ファンキートマト」や、音楽イベント「江ノ島ジャパンジャム」などを企画、制作。1987(昭和62)年、音楽・映画のプロデューサーとして独立。1993(平成5)年、日本映画に笑いの新風を吹き込もうと、間寛平さん主演の「ファンキーモンキーティチャー」の新シリーズで初監督。以来、89作品を監督したほか、プロデュース作品が42本、脚本作品は31本ある。

 クラウドファンディングサイトの呼び掛け文は「ヨコハマ野毛の探偵は、濱マイクだけじゃない!ジョージ・ガーシュインをこよなく愛する探偵ジョージが、横浜を守るために立ち上がる本格派アクションムービー!」。同作の舞台は横浜。野毛の「ジャズ喫茶ちぐさ」(横浜市中区野毛町2)や、藤棚商店街の客席数28席の映画館「シネマノヴェチェント」(西区中央2)、老舗の伝統懐石料理店「料亭滝川」(神奈川区台町8)、大岡川、蒔田公園など市内各所で撮影をした。

 「地域映画の巨匠、市川徹監督最後の作品」とうたい、90作目の同作で、監督としては引退すると決めた。肝臓ガンで、3年ほど前から闘病をしている。制作の途中も杖をつかなければならない時もあった。「あまり快方に向かわなくて、限界になって止めるよりまだ体が動くうちにと思って」と話す。

 映画のタイトルにある探偵事務所名「SWANEE」は、ガーシュインの曲名にちなんだ。「小学校時代に江利チエミさんと雪村いづみさんが『SWANEE』を歌うのを聴いて、それぞれが違う表現で歌い上げているのに感銘し、自分にとっての音楽の原体験のような曲。いつか映画のタイトルにしたいとずっと思っていた。『SWANEE』は厳密にはジャズではないかもしれないけれど、ジャズの曲として」という。

 最後の映画は、生まれ育った横浜で撮りたいと、心に決めていた。探偵を職業にしている人や、会社の社長、料亭滝川の女将など、50人ほどの横浜の人たちが関わってくれた。

 市川監督は「ぼくはもう72才で、まもなく73才。『ぼくらの横浜はとってもいい横浜だった』と伝えたい」と話す。これまであまり政治的なことは映画で描いてこなかったが、「最後だからとわがままを言わせてもらって」、IRについての思いも作中に込めた。「ぼくは本当に横浜大好きなんですよ」。

 クラウドファンディングは「CAMPFIRE」で6月9日まで実施。目標額は300万で、目標額未満でも計画を実行し、リターンを届けるAll-in方式。支援額は29日21時時点で75%まで届いている。映画は7月に完成予定で、横浜を皮切りに順次全国公開を予定する。

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