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赤レンガ倉庫で横浜初上陸の世界記憶遺産を展示 「引き揚げ」の港巡回

日本人抑留者が収容所内で木の皮に綴った日誌、白樺日誌。

日本人抑留者が収容所内で木の皮に綴った日誌、白樺日誌。

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 横浜赤レンガ倉庫1号館(横浜市中区新港1)2階で3月17日から、シベリア抑留などを含む引き揚げ資料などを展示する「舞鶴引揚記念館 全国巡回展」が開催されている。主催は舞鶴市世界記憶遺産保存活用推進委員会と舞鶴市(京都府)。ユネスコ世界記憶遺産に登録された資料の原寸大レプリカや、実際に抑留者が使用していた生活用品の現物などを展示する。

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 この巡回展は、同市が運営する舞鶴引揚記念館の収蔵資料570点が、2015(平成27)年10月にユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の「世界記憶遺産」(世界の記憶)に登録されたことを契機として、引き揚げの史実継承と平和の願いを国内外に発信することを目的に始まった。

 開催地は舞鶴市と同様、海外から日本人引揚者を受け入れるための「引揚港」に指定された港がある都市に限定しており、横浜港が1945(昭和20)年11月~12月に指定されていたため実現。

 展示する「ユネスコ世界記憶遺産」登録資料は、昭和にヒットした歌謡曲「岸壁の母」のモデルとなった端野いせさんが、舞鶴引揚援護局に託した息子宛ての葉書などの郵便物類や、シベリア抑留者が帰国後に描いた体験画、シベリア抑留者が抑留中に家族や故郷を思い、紙の代わりにシラカバの皮に約200首の和歌を書き記した「白樺日誌」や、シベリアの収容所や作業場の様子を現地で描いた「スケッチブック」、収容所の仲間の日本の住所を記した「手作りのメモ帳」など39点。

 来場者が体験できるコーナーもあり、「シベリア抑留中の食料分配」では、収容所でわずかに与えられた黒パンを平等に分けるために即席の「てんびんばかり」を用いて分配していた様子を、パンとはかりの模型を用いて体験することができる。

 開催時間は10時30分~19時(最終日は17時まで)。入館無料。23日まで。

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