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90歳の大道芸人ギリヤーク尼ヶ崎 大さん橋で青空舞踊公演 海に祈り届ける

9月に大さん橋を下見して、体を動かすギリヤークさん。「場の空気はこういう感じなんだね」

9月に大さん橋を下見して、体を動かすギリヤークさん。「場の空気はこういう感じなんだね」

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 国内で最高齢の現役大道芸人とされるギリヤーク尼ヶ崎さん(90歳)が10月11日、横浜港大さん橋国際客船ターミナル(以下、大さん橋)の屋上(通称=くじらの背中)で大道芸を行う。例年は、春に関西と横浜、夏に北海道、秋に東京など全国各地で青空舞踊公演を続けてきたが、新型ウイルスの影響で今年はこれまでの全公演が中止、1年ぶりの公演となる。

開演前にギリヤークさんそっくりの人形が登場

 ギリヤークさんは1968(昭和43)年10月に、銀座(東京)で大道芸人としてデビュー。全身全霊をかけた踊りで、初期は「鬼の踊り」と称されたが、1995年(平成7)年1月17日に発生した阪神・淡路大震災の後、同年2月17日に供養の舞を神戸で踊ったときから、踊りの本質が「鬼の踊り」から「祈りの踊り」へと変化した。

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 大さん橋では、新型コロナウイルスの集団感染が起きたクルーズ船が停泊していた大黒ふ頭側を背景にして踊る。津軽民謡を素材とし、震災などで亡くなった人や自らの母への思いを込めて踊り続けてきた創作舞踊「念仏じょんがら」に、世界中の病で亡くなった人たちへの祈りをこめる。

 「大道芸人としての駆け出しのころには、山下公園でずいぶん命を懸けて踊ってきた。横浜の港は懐かしい場所」というギリヤークさん。自分の踊りと合わないと思う場では決して踊らず「街頭で踊るときは、踊る場所そのものと一体になるようにと踊る」という姿勢を貫いてきた。9月に大さん橋の下見に訪れ、海を見ながら「僕、ここで踊らなくちゃいけないね」と口にした。

 2008(平成20)年から心臓のペースメーカーを使用、2016(平成28)年に腰が曲がり脊柱管狭さく症を患い、同年、手足に震えが生じたり悪化すると歩行困難になったりする難病のパーキンソン病と診断された。演目の一部では車椅子を使用しながら、踊り続ける。

 ギリヤークさんは「体はもう使い古しちゃって、みなさんの前でどんな踊りができるか。でもこの場所で、今までと違う動きが生まれるかもしれない。踊るしかない」と話す。

 開演=14時~。入場無料(予約不要、小雨決行)。荒天時は18日に順延。

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