横浜コミュニティデザイン・ラボは9月1日から、「さくらハウス イッカイ（仮称）」（横浜市中区相生町2）の運営を開始した。6年間の期間限定で、独自企画による飲食や地域の人たちの対話の場づくりを行う。9月19日にはオープニングパーティが開かれ、のべ100人以上の参加者でにぎわった。

　同施設の入居する建物は築70年の古民家で、これまで飲食店や住居として長年使われてきた。前運営者の移住に伴い、同団体が運営を引き継ぐこととなった。

　1階は8月まで「梅干しサワー専門店」が営業していた際のままの内装となっており、ここを飲食店、コミュニティスペースとして使用する。2階の一部には、アフリカ雑貨工房「OdiOdi」が入居している。

「さくらハウス イッカイ（仮称）」外観

「さくらハウス イッカイ（仮称）」はどんな場所？

　9月～11月までを第1フェーズとして、カフェ・レストラン・バー・ラウンジのような飲食店として営業する。現在は朝カフェやバーなどを不定期にテストオープン中で、段階的に定期オープンを目指す。横浜市や地域の企業、施設とも連携し、地域の人たちが参加しやすく対話のきっかけとなるイベントを企画する予定。

　第2フェーズは、11月27日から開催する横浜市の冬季夜景事業「ヨルノヨ」に合わせ、「ヨルノヨBAR」を展開する予定。横浜都心臨海部で開催される同イベントのサテライト拠点として、イベント開始前の日中や、会場が閉まる21時05分以降の来場者の受け皿としてにぎわいを創出する。

　映像作家の伊藤有壱さんによる作品「横濱 千夜一夜」や期間限定メニュー、「ヨルノヨ」の案内所としての機能などを予定している。

　イベントが終了する1月4日以降は、第2フェーズまでの運営によるフィードバックを基に、運営のあり方を検討する。

若いチームで「誰もが気軽に立ち寄れる場所」を目指す

　第1フェーズの店長をつとめる山下大地さんは「誰でも気軽に立ち寄れる場所を目指したい」と話す。山下さんは前運営者がこの場所で運営していた飲食店「ヘイトアシュベリー」の立ち上げにも携わった。

第1フェーズの店長をつとめる山下大地さん（右）

　横浜コミュニティデザイン・ラボは次世代の育成を意識しており、本事業でも山下さんと若者3人のチームで立ち上げ期の運営に取り組む。メンバーの1人である田才知歩さんは、偶然建物の前を通りがかった際に古民家の佇まいに惹かれ、関係者から声をかけられて話をする中で参加を決めたという。「この場所は多くの人達の縁のつながりでできていて、私もご縁で輪に入れていただいた。今後は訪れる人達の縁をつなげることができる空間にしていければ」と笑顔を見せた。

運営チームメンバーの田才知歩さん

　同団体は関内に拠点を置くNPO法人として、地域のさまざまな主体とのネットワークの強化を図り、地域の活性化に寄与したいとしている。近隣でシェアオフィス「さくらWORKS＜関内＞」とシェアスペース「泰生ポーチ」を運営しており、それらとの相乗効果も狙う。

1日店長など、参加型の仕組みも検討

　今後は、「1日店長」制度も検討中。事前に一定期間スタッフとして運営に参加してもらった上で、オリジナルの料理の提供やイベント開催ができる仕組みを考えているという。

　建物2階には防音室と調整室があり、ポッドキャスト・映像スタジオとしての使用やレンタルの提案も検討している。

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