特集

ウクレレピクニック現地レポート 90歳の記念ステージ・高木ブーさんインタビューも

  • 80

  •  

 

ウクレレピクニックの歴史

 「HiLife presents ウクレレピクニック2023」が9月9日・10日に、横浜ハンマーヘッド(横浜市中区新港2)1階CIQホールで、開催された。

 イベントは、サザンオールスターズのベーシストの関口和之さんが、ハワイ島の「スラック・キー・ギター&ウクレレフェスティバル」に感銘を受け、「都会から少し離れた海のそばで、老若男女がゆったりと過ごしてほしい」と発案されたもの。

 2000(平成12)年に逗子マリーナで初開催。以降、城ヶ島公園(三浦市三崎町)、長井海の手公園ソレイユの丘(横須賀市長井)と徐々に会場面積を拡大。


ウクレレとフラダンサーが集まるステージ

 横浜市内に会場を移したのは2011(平成23)年から。同年と翌年は横浜赤レンガ倉庫で開催。2012(平成24)年は「最多人数でのウクレレ合同演奏」の世界記録に挑戦、来場者と出演者合計2,134人が演奏し、ギネス世界記録に認定された。


2012年7月28日、赤レンガパークで世界記録


大さん橋会場を経て、今回は横浜ハンマーヘッドのCIQホールで開催

 歴史を辿ると、1881(明治14)年、ハワイ王国のカラカウア王が横浜港に到着。明治政府にとって初の海外現職国家元首として迎えられ、4年後には官約移民が開始された。


横浜港は日本とハワイの関係にとって歴史的な地だった

2023年のウクレレピクニック フードエリアとショップ

 ここからは今回の様子をレポートしたい。飲食物販ブースは約50組出店。ハワイアンフードエリアでは、コナビールや、ハワイアンフードなどを用意した。


KONISHIKIさんが「日本一美味しい」と太鼓判を押す「Ahuahu」のガーリックシュリンプ


フレーバーコーヒーが好評の「ハワイアン・パラダイス・コーヒー」

 ウクレレや公式グッズなどの販売ブースも。各ブースでは、出演者や来日ゲストとのミート&グリートも行われ、行列ができていた。 


ブランド「HiLife」とコラボした公式グッズ 売り上げの一部は「マウイ島西部 山火事救援金」に


「黒澤楽器店」には、ウクレレの代名詞「KAMAKA」の製造責任者、クリス・カマカさんが来日


ウクレレがびっしりと陳列されたブースでは試奏も可能だった


「ウクレレマイスター」のキヨシ小林さんは「ウクレレ・マガジン」ブースで教則本へのサイン会


関口和之さんがオーナーの、ウクレレ専門店とスクールの「PoePoe」(東京都目黒区)も出店

 例年、MCや関口バンドで出演していた関口和之さんは、月末のサザンオールスターズ茅ヶ崎ライブ準備のため、出演は見送り、ブースに立ち寄った。


関口和之さん(後列左から2人目)

 ワークショップエリアでは「ハワイアンボディーペイント」や「リボンレイ」の制作が体験できた。


ワークショップエリア 子どもがリボンレイを作成していた

2023年のウクレレピクニック ステージイベント

 会場中ほどと後方の2カ所に設営されたステージには、2日間でアマチュア185組、プロアーティスト35組がステージに上がり、ウクレレやフラを披露した。


ハワイ語でケイキと呼ばれる子どもクラスが登場すると、「かわいい」と声があがった

 新進アーティストも登場。近藤利樹さんが、情熱的で超絶技巧のウクレレ演奏。「16歳」だと話すと、観客がどよめいた。


「ウクレレが好きな人が集まっていて、ウクレレ愛をすごく感じたのが嬉しくて、楽しく演奏できた」

 ハワイ在住のアンジェラ・磨紀・バーノンさんはウクレレピクニック主宰のデビット・スミスさんとトークセッション。ハワイの現地情報やライフスタイルを伝えた。


プロサーファーで、ヨガのスペシャリストのアンジェラさん


クリエイターユニット「井の頭4丁目ブルースバンド」

アニメ「リロイ&スティッチ」(2006年・2007年)では、一十三十一(ひとみとい)さんの歌うエンディングテーマ曲の演奏を担当していた「E KOMO MAI」


「高田渡&ヒルトップ・ストリングス・バン」でデビューしたベテランのキヨシ小林さん

クライマックスは高木ブーさん グランドフィナーレは「みんなでウクレレタイム」

 そして最終日のトリを飾ったのは高木ブーさん。第1回から出演し続け、今年は90歳の記念ステージ。

 「高木ブーとニューハロナ」という自身のバンドを率いて、長年歌ってきたハワイアン定番ソングを中心に、松山千春さんの「恋」などを披露。温かい歌声とウクレレの音色で会場を包み込んだ。


MCや素振りで「ぼやき」やおとぼけも見せた高木ブーさん 客席から「生雷様」との声も

 グランドフィナーレは、出演者たちと客席がウクレレを持って一緒に演奏できる参加型企画「みんなでウクレレタイム」。楽曲制作のまとめ役とメインボーカルを担ったピアノとウクレレ夫婦ユニット「かのんぷ♪」を中心に、企画に参加したミュージシャンがステージ上に集合した。

 歌詞素材を公募した楽曲「Ukulele Magic」を披露し、客席もウクレレを鳴らしながら歌った。ステージと客席との一体感に、主宰のスミスさんは「ウクレレマジックとはこういうことか」と、喜びの声を上げた。


ステージを取り囲む来場者が歌とウクレレで参加

 来場者数は2日間で約38,000人。スミスさんは「来年は25周年となる記念開催なので、ぜひ楽しみにしてほしい」と呼び掛けた。


ウクレレとフラ 結びはウクレレピクニック公式ソング「High Five!」

高木ブーさんインタビュー

 演奏を終えた高木ブーさんに話を聞いた。


3月に90歳になった高木ブーさん

ーステージの雰囲気は?

 「お客さんがみんな、温かいよね」

ー若者や小さいお子さんも楽しんでいた

 「聴いてたら泣いちゃったと言われることもあるので、嬉しいね」

ー全国から来場者が集まる

 「さっきの泣いちゃったと言った人も、北海道在住って言ってたよね」

ー90歳となるステージで、体調は?

 「やってしまえば関係ないよ。今日は楽しかったから、出し切ったなー」


老若男女が夢中で見ていた

ー以前に共演したビル・タピアさんは当時101歳。ルイ・アームストロングやエルビス・プレスリーとも共演したプレイヤーだったが、彼を越える長生きを

 「まだまだ元気だよ。プレスリーか。でもこっちもビートルズ(※ザ・ドリフターズはザ・ビートルズの日本武道館公演の前座出演ゲストで唯一、ステージ上で演奏した)だからね。そういえば、加藤(茶)が昔、プレスリーにどうしても会いたいと上の者にお願いしても、会わせてもらえなかったことがあったなー」

ーまだまだやりたいことはいっぱい?

 「そうだね。今日なんか初めての場所だから、音響とか機材的な問題がいろいろ出るものだけど、それも勉強だよ」

ー90歳にして、学びの姿勢

 「そりゃそうだよ。たとえば、ステージ上で音響が良くないと思っても、客席では良く聞こえるということが多い。じゃあ、どうするかって学んでいくんだよ。俺も学んで、スタッフも学ぶ。お互い様で、何度も積み重ねていくもんだ」

ー最後に読者へメッセージを

 「話し下手だからこんなもんだけど、ありがとね。どんなことも続けていくとどんどん良くなる。まだまだやっていくから、これからもよろしくね」


ステージ直後とは思えない元気な姿

編集後記

 ウクレレを通じてハワイ文化やライフスタイルを包括した「アロハスピリッツ」そのものを伝えるイベントとして、日本のハワイブームを牽引してきたウクレレピクニック。
 過度に拡大せずに地に足のついた活動で種を蒔き、芽を育ててきたのを、筆者も24年間見続けてきた。また、ウクレレピクニックとウクレレ界、日本のハワイアン界の象徴でもある高木ブーさんのマイペースかついまだに学びを忘れない姿勢に感服した。
 来年の25周年はどんな新しい花が咲き誇るのか期待したい。

ヨコハマ経済新聞+山本航

>横浜でウクレレピクニック サザンオールスターズ関口和之さんの構想がルーツ(2023年)
>大さん橋ホールで「ウクレレピクニック」ハワイからも出店(2019年)
>横浜赤レンガ広場で「ウクレレピクニック」 世界最大規模のウクレレイベント(2016年)
>赤レンガで野外ハワイイベント「ウクレレピクニック」初開催(2012年)
>古代式カヌー「ホクレア号」が横浜入港-市内で記念イベント(2007年)

  • はてなブックマークに追加

ヨコハマ経済新聞VOTE

あなたやあなたの関わるイベント・店舗などは、これまでに何回ヨコハマ経済新聞に掲載されたことがありますか

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース