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ライトダウンで地球のことを考える「アースアワー横浜」、3月27日に世界同時開催 ~チームZERO YOUTH 横浜の設立宣言も

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 世界中の人びとが同じ日・同じ時刻に消灯することで地球温暖化防止と環境保全の意志を示す、世界最大の環境アクション「EARTH HOUR(アースアワー)」が3月27日(土)20時30分~21時30分に行われる。2014年から毎年、アースアワーの取り組みが行われてきた横浜では今年、若者世代との連携を重視、当日午後には温暖化対策に取り組む若者たちのネットワーク「チームZERO YOUTH 横浜」の設立宣言も実施。当日11時から20時30分の消灯開始直後までライトダウンイベントが無観客・オンラインで開催される。

2020年はコロナ感染防止のためイベント中止

 EARTH HOURは2007年、世界自然保護基金(WWF)オーストラリアの地球温暖化防止キャンペーンとして始まり、その取り組みが世界中に広がった。2020年は190の国と地域が参加し、東京スカイツリーや東京タワー、横浜・みなとみらい21地区の施設、エッフェル塔(フランス)、ロンドンアイ(英国)、アクロポリス(ギリシャ)などが趣旨に賛同して消灯している。

 しかし、昨年2020年は、新型コロナウイルス感染症の発生・拡大により、日本を含む多くの国で予定されていたイベントが中止となった。横浜でのイベントも中止となり、急きょ、著名人らの環境に関するビデオメッセージが特設サイトなどで公開された。各国で、オンラインでの番組配信やSNSを通じたメッセージの発信が行われ、日本を含む37カ国でEARTH HOURがTwitterとGoogleでトレンド入りするなど、ネットの世界で大きな波が生まれた。


横浜から発信する「アースアワー2020メッセージ」 20人が地球と地域への思いをこめて
https://www.hamakei.com/photoflash/4559/

 今年のアースアワーのテーマは「グリーン・リカバリー」。世界の経済、社会、人の暮らしに大きな影響を及ぼしている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。このコロナ禍からの復興のカギとして、「グリーン・リカバリー」が注目されている。コロナ禍からの復興にあたって、地球温暖化の防止や生物多様性の保全を実現し、よりよい未来を目指していくことを目指すもの。

横浜では2014年からアースアワーイベント

 横浜でのアースアワーの取り組みは2014年以来、WWFジャパンと横浜市が連携して続けてきた。2014年に国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の総会が日本で初めて横浜で開催されたことがきっかけとなった。

 温暖化問題やエネルギーの在り方についての認識を深め、具体的なアクションにつなげるため、WWFジャパンと横浜市が協力してイベントを初開催した。アースアワーに合わせたイベントの本格開催は日本ではそれまで例がなかった。

 環境に配慮したライフスタイルの普及に向けて、横浜市とWWFジャパンは2015年3月に連携協定を締結し、両者が協力する形でアースアワーイベントを開催。この間の2018年、横浜市は地球温暖化対策実行計画を改定し、2050年までの温室効果ガス実質排出ゼロ(脱炭素化)の実現(Zero Carbon Yokohama)を掲げた。

 2021年は、アースアワーに関連した取り組みを拡大し、学生や若手ビジネスパーソンなど若者世代の発想を企画・運営に取り入れるため、実行委員会を設立して、イベントやセミナーの企画・運営にあたることになった。


2021年1月、横浜市などは若者の気候変動に関するアクションなどをテーマにした動画コンテストを開催。環境アクションへの機運を高めた
◎横浜市とフィンランドのトゥルク市が連携 若い世代の気候変動に関するメッセージを世界へ(ヨコハマ経済新聞)
https://www.hamakei.com/headline/11161/

実行委員会に学生2人、学生団体などとコラボで事前セミナー

 今年のアースアワーのテーマは「グリーン・リカバリー」。世界の経済、社会、人の暮らしに大きな影響を及ぼしている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。このコロナ禍からの復興のカギとして、「グリーン・リカバリー」が注目されている。コロナ禍からの復興にあたって、地球温暖化の防止や生物多様性の保全を実現し、よりよい未来を目指していくことを目指すもの。

 今年の横浜のアースアワーの企画運営の体制づくりで、横浜市とWWFジャパンは、若い世代との連携を図るため、「EARTH HOUR 2021 in YOKOHAMA実行委員会」を設立して準備を進めてきた。実行委員会は、以前から温暖化防止や環境問題などに取り組んできた団体などから推薦されたメンバーや学識経験者など8人で構成されるが、このうち2人が学生だ。

 持続可能な社会づくりのための教育を考える学生団体「RCE横浜若者連盟」の川内美月さん(横浜市立大学4年 兼 大学院1年)と横浜国立大学「Yokohama Univer-City」の木村心香さんで、川内さんは副委員長も務める。

 温暖化防止や環境を守るためのアクションを広めるため、実行委員会ではアースアワーの前日までに6回のプレセミナーを計画した。このうち4回は呼び掛けに応えて集まった学生や若い社会人でつくるプロジェクトチームが企画した。チームの運営では木村さんが重要な役割を担った。

 プレセミナー第3回(3月14日実施、動画アーカイブ公開中)は、「カーボンフットプリントを意識した、おいしくて環境に優しいクッキング~食から地球温暖化について考えよう~」。若手社会人でつくる「グローバルシェイパーズ横浜ハブ」とのコラボ企画で、地元の横浜野菜を使ったインドカレーやオーストラリアの自然派の菓子ブリスボールの作りながら、エネルギー消費を抑える地産地消についても考えた。


第3回 3月14日(日)18:00~20:00:「カーボンフットプリントを意識した、おいしくて環境に優しいクッキング~食から地球温暖化について考えよう~」(企画:グローバルシェイパーズ横浜ハブ)
http://yokohama.localgood.jp/event/36667/

 プレセミナー第4回(3月18日、同)は、実行委員の木村さんが所属する「YUC」とのコラボ企画で、YUCが続ける企画の特別版「哲学カフェ:個人レベルの環境アクションのゴールはどこか」をオンラインで配信。第5回は川内さんん所属の「RCE横浜 若者連盟」とのコラボで、「よこかし EARTH HOUR 特別版:身近なグッズで楽しく環境アクション!」。消費を通じた行動や地元企業の取り組みに焦点を当てた。

 アースアワー前日の3月26日(金)13時30分からは、「青年環境NGO Climate Youth Japan (CYJ) 」とのコラボで、プレセミナー第6回「私たちが出した炭素のゆくえ~生態系を活用した気候変動緩和策~」が開催される。


◎EARTH HOUR in YOKOHAMA YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCyHSnTCLEJM8sc1tVPfklpw/videos

消灯まで横浜の企業団体、幅広い世代の活動をオンライン配信

 アースアワー当日の3月27日(土)は、11時から消灯開始の20時30分すぎまで、横浜の企業団体、学校などを活動を、さまざまなプログラムで紹介するオンラインイベントが実施される。

 11 時からのオープニングでは、EARTH HOUR 2021 in YOKOHAMA実行委員会の松本真哉さん(横浜国立大学教授)、横浜市からのあいさつに続き、WWFジャパンの安村茂樹・自然保護(淡水・教育・PSP)室長がアースアワーに関するプレゼンテーションを行い、世界に広がった「EARTH HOUR」というソーシャルグッド・プロジェクトの歴史や背景、そして目的や意義などについて話をする。

 オープニングに続いて、11時30分からは横浜市地球温暖化対策推進協議会とのコラボとして、小学校や高校、大学、企業の取り組みを、小学校が制作した動画も交えて紹介する。


オンラインイベントで紹介予定の小学校での活動をまとめた動画の1つ

 「チームZERO YOUTH 横浜」の設立宣言は、15時からのセッションの中で行われる。「ゼロカーボンヨコハマ」の実現に向けた、市内の大学生を中心とするメンバーによるネットワーク『チームZERO YOUTH 横浜』の設立に向けた思いや、未来の活動に向けたビジョンを、横浜市の小林一美副市長も参加して発信する。

 その他、横浜市地球温暖化対策推進協議会と一般社団法人横浜すぱいすによる、横浜の学生や子どもたちの取り組み紹介、「One Health 地球温暖化と健康」、横濱OneMMによる「横濱OneMMが語る”みなとみらい”と”みんな”と”みらい”」、横浜市立大学 ReLife「企業の廃棄問題と社会問題を同時に解決」、NPO法人AEA 横浜支部や関内まちづくり振興会、IYEOスターゲイジングによるプレゼンテーションのほか、持続可能な未来の実現に取り組む1,750以上の都市や地域からなる国際的なネットワーク「イクレイ(ICLEI)-持続可能な都市と地域をめざす自治体協議会」の取り組みと、海外における若者によるムーブメントなどの紹介や、オープンディスカッションなどが行われる。

 最終セッションは、20時からの「アースアワーライトダウン」。アースアワーに取り組む東京や広島、鹿児島などの中継を交えて、20時30分の消灯開始を迎える。

 実行委員会では、消灯に参加する企業団体、個人に登録を呼び掛けており、市内の多くの企業・施設、個人が消灯に参加する。団体・個人の消灯アクションへの参加はEARTH HOUR in YOKOHAMAの特設サイトからエントリーできる。また、20時30分の消灯時間には、横浜港に停泊する船舶が汽笛を鳴らすほか、みなとみらい21地区の観覧車「コスモクロック21」が、17色のSDGsカラーにライトアップされる(18時から20時30分までと20時40分から21時30分まで実施、20時30分から20時40分は消灯)。また、横浜港の船が消灯に合わせて一斉に汽笛を鳴らす。

 新型コロナウイルスの影響により、世界的に人の活動が制限され、収束が具体的に見えていない現在。人も自然も、 共に健やかなかたちで共存できる世界にしていくために、2021年3月27日(土)の1時間は、家で消灯しながら 地球環境のこと、コロナ禍からの「グリーンリカバリー」について思いを馳せてみませんか。

■EARTH HOUR(アースアワー)とは
世界中の人びとが同じ日・同じ時刻に消灯することで、地球温暖化防止と環境保全の意志を示す、世界最大級の消灯アクションです。2007年に始まり、日本では、2010年からWWFジャパンが主体となり開催しています。2020年には過去最多となる全世界で190の国と地域が参加。毎年3月の最終土曜日の現地時間20時30分を迎えた地域から順次消灯を行い、日付変更線に近い南太平洋諸国から地球を1周する消灯リレーを行います。

2021年3月27日、EARTH HOURの消灯アクションにご参加ください。

EARTH HOUR in YOKOHAMA 特設サイト(LOCAL GOOD YOKOHAMA)
http://yokohama.localgood.jp/earthhour2021/

皆さんの消灯アクションを登録できます。

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