特集

横浜市の最高顕彰「横浜文化賞」と「文化・芸術奨励賞」の受賞者が決定
中川憲造さんら6人1団体を表彰

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 横浜市の最高顕彰である横浜文化賞の平成30年度の受賞者が決定した。

 同賞は、芸術、教育、学術、社会福祉、医療、産業、スポーツ振興など横浜市の文化振興に尽力した人物に贈呈されるもので、1952年に創設され、今年で67回目となる。

 「横浜文化賞」の文化・芸術部門には、ダンスカンパニー「コンドルズ」を主宰する近藤良平さん、グラフィックデザイナーの中川憲造さん、音楽団体の横浜市民広間演奏会の3組が選出された。

 「横浜文化賞」社会貢献・スポーツ部門には、ステンドグラス製作者の平山健雄さん、馬車道商店街協同組合理事長の六川勝仁さんが選ばれた。

 若手や今後の活躍が期待される人物に贈られる「横浜文化賞文化・芸術奨励賞」にはバイオリニストの大関万結さん、建築家の藤原徹平さんが選ばれた。

 贈呈式・記念コンサートは11月22日に横浜みなとみらいホール 小ホールで行われる。コンサートでは、昨年度「横浜文化賞文化・芸術奨励賞」を受賞した阪田知樹さんのピアノ演奏が行われる。抽選で250人を無料招待する。開催時間は13時30分~15時30分。

 受賞者は、8月29日に開催された横浜文化賞選考委員会(委員長: 窪田吉信、公立大学法人横浜市立大学学長)で選ばれた。

>>第67回(平成30年度)横浜文化賞 受賞者決定 贈呈式・記念コンサートに250名様を無料ご招待(横浜市文化観光局)

 

横浜文化賞

芸術、学術、教育、社会福祉、医療、産業、スポーツ振興等の文化の発展に尽力し、その功績が顕著な方々

 【文化・芸術部門】

・近藤良平(こんどうりょうへい) ダンサー・振付家

 独自の世界観で注目を集めるダンスカンパニー「コンドルズ」主宰。全作品の構成・映像・振付を手がけ、その活動は舞台のみならず、テレビ、映画など多方面にわたる。横浜国立大学等で非常勤講師としてダンス指導をするほか、全国各地でワークショップを開催。ダンスを通した社会への貢献や次世代育成等に尽力。Dance Dance Dance@YOKOHAMAの初開催(2012年)から同事業に関わり、オリジナルの「ヨコハマ盆ダンス」を作詞・作曲・振付して披露。2018年度には同事業のディレクターに就任し、多彩なプログラムをディレクション。横浜のダンス文化の広がりや街の賑わい創出に大きな影響を与えている。平成28年度(第67回)芸術選奨文部科学大臣賞(舞踊)受賞。(写真:©HARU)

 

・中川憲造(なかがわけんぞう) グラフィックデザイナー

 横浜が誇るグラフィックデザイナー。1992年の第1回ヨコハマ都市デザインフォーラムで、横浜での活動をスタートさせたのを皮切りに、25年以上にわたり、デザインを通した横浜の都市ブランド向上に寄与。横浜シティエアターミナルや横浜国際総合競技場のシンボルマーク制作、2004年みなとみらい線開通キャンペーンのディレクション等、その実績は枚挙にいとまがない。ヨコハマトリエンナーレ2017では、オフィシャルショップにおいて「横浜クリエイターズグッズ」をディレクション・監修し、内外から高く評価された。現在は次世代クリエイターのメンターとしても活動しながら、横浜の魅力を発信し続けている。(写真:©HIYAMA yasuhiro)

 

・横浜市民広間演奏会

 1967年以来、市民の皆さまに気軽に音楽を楽しんでもらうことを目的に、約半世紀にわたり、市庁舎市民広間で鑑賞無料のロビーコンサートを開催。開催当初は、クラシックが現在ほど身近なものではなく、市内に本格的な音楽専門ホールがなかったため、全国でも極めてユニークな取組として注目を集めた。現在、出演者は、2年に1度開催される厳しいオーディションを経て選ばれており、プロの若手音楽家にとっては、自身の演奏技術を高めていく貴重な機会となっている。このことからも同団体の活動は、市内の音楽家の発掘・育成に大きく寄与し、横浜の音楽文化振興の大きな役割を担っている。市内の文化施設や民間施設などでもコンサートを開催。

 

 【社会貢献・スポーツ部門】

・平山健雄(ひらやまたけお) ステンドグラス製作

 日本を代表するステンドグラス製作者。全国でステンドグラスの製作・施工を手掛けるほか、市内外の文化的価値の高いステンドグラスの修復にも多くの実績がある。2008~2009年には、横浜開港150周年に向け、横浜市開港記念会館の3枚のステンドグラスの修復を手掛け、約80年前の光を現代によみがえらせた。また一連の作業を市民が見学できるように仮の工房を設け、公開で作業を行うなど、市民理解を深める工夫を凝らす。2000年には、「横浜マイスター」に選定され、次代を担う若手育成のため、技能実演や講義、市内小中学校等での職業教育にも貢献している。

・六川勝仁(ろくかわかつひと) 馬車道商店街協同組合理事長

 横浜の象徴の一つである「馬車道」の発展を長年にわたって支え続ける。馬車道商店街協同組合理事長として、『あいすくりーむ発祥記念イベント』など、横浜の文明開化の歴史を生かしたイベントを多数企画・実施するほか、馬車道サロンや横浜馬車道アートギャラリーを文化的交流の場として広く市民に提供。馬車道を、文明開化・文化芸術のかおる魅力ある街なみに育て、その通りの名を全国区に高めている。1997年からは「ザよこはまパレード国際仮装行列」に企画宣伝委員長として参画。初夏の風物詩として、市民のみならず全国の人々に親しまれるイベントに成長させ、横浜の都市ブランド向上、シティセールスに大きく貢献している。

 

横浜文化賞文化・芸術奨励賞

文化・芸術部門において、現在活躍中の若年層又は中堅層で、さらに今後の活躍が期待される方々

・大関万結(おおぜきまゆ) バイオリニスト

 3歳からバイオリンをはじめ、2013年中学2年生で国内最高峰の学生音楽コンクール第67回全日本学生音楽コンクール中学生の部全国大会で1位、2017年高校3年生で楽壇最高の登竜門第86回日本音楽コンクールにおいて1位に輝くなど、数々のコンクールにおいて華々しい実績を残す。学生離れした表現力と美しい音色が特徴で、名門の桐朋女子高等学校音楽科を首席で卒業するなど、将来、最も有望な若手バイオリン奏者の一人。出身地である横浜においては、2014年にクラシック・ヨコハマに出演、地域のサロンにおいて演奏を披露したほか、神奈川フィルハーモニー管弦楽団とも共演。海外での評価も高く、今後の活躍が期待される。

 

藤原徹平(ふじわらてっぺい) 建築家

 建築家としての活動とともに、ファッション、ダンス、演劇、アートなど様々な分野と建築を融合させるユニークな取組で注目を集める新進気鋭の建築家。生まれから大学修士修了まで、一貫して横浜で教育を受け、大学院卒業後13年間、隈研吾建築都市設計事務所に勤務。世界20都市以上のプロジェクトを担当し、建築家としてのキャリアを積む。2009年より個人活動を開始し、分野横断の活動を展開。ヨコハマトリエンナーレ2017では、横浜美術館や横浜赤レンガ倉庫の展示空間構成を担当。教鞭をとる横浜国立大学においては、横浜市内の高齢化や空き家などの地域課題の解決方法をワークショップ形式で探る新しい教育手法を展開するなど、文化芸術の枠にとらわれない活動を展開。

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