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パシフィコ横浜で「SDGs全国フォーラム2019」 SDGs日本モデル宣言を世界に発信

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 パシフィコ横浜(横浜市西区みなとみらい1)で1月30日、「SDGs全国フォーラム2019」が開催された。主催は神奈川県、共催は横浜市、鎌倉市。

 同フォーラムは、都道府県として唯一SDGs未来都市及び自治体SDGsモデル事業の両方に選定された神奈川県が、同時に選定された横浜市、鎌倉市を始め、全国の自治体と連携して「神奈川から『自治体の役割を明確にしたSDGsへの取組』を全国に発信する」ことを目的に開催され、SDGsに官民連携で取り組む自治体・地域発の「SDGs日本モデル宣言」を発表した。同宣言には、県内33全市町村のほか、33都道府県を含む93自治体が賛同した。

 当日は、黒岩祐治神奈川県知事や片山さつき内閣府特命担当大臣(地方創生等)、阿部俊子外務副大臣をはじめ、県内外の首長らが多数出席したほか、企業、大学、民間団体のSDGsの取り組み、高校生の取り組み等が紹介された。

 第1部「SDGs日本モデル」宣言採択

 黒岩祐治神奈川県知事は開会挨拶として「SDGsという言葉が普及してきたが、自分ごととしてどこまで捉えていいのかわかりづらい。このフォーラムを通して皆さんと一緒に考えていきたい。今日一日でSDGsの理解が深まり、どんどん広がるきっかけになれば」と話した。

 また、片山さつき閣府特命担当大臣は「G20、TICADの開催など地方の波だけではなく国際的な波もきている。SDGsの特徴は、市民一人ひとりの生活に密着しているということと、みなが参加でき、多様なステークホルダーと連携することができること。その実施主体として地方自治体の関係者のみなさまにご協力いただく必要がある」と話した。

 その後SDGs未来都市等の自治体首長らによる宣言採択が行われた。

 第2部「SDGs日本モデル」における自治体の役割

 基調講演では、まず内閣府地方創生推進事務局参事官の遠藤健太郎氏の講演が行われ、次に外務省国際協力局地球規模課題総括課長の甲木浩太郎氏がSDGs推進本部で外務省として事務局を担当している立場から、政府全体のSDGsにおける取り組みを紹介。

 G20やTICAD、国連でのSDGsサミットなど世界的な会議の開催も控えており、2019年は重要な年と位置付けられる、「それまでに日本ならではのSDGsモデルをつくる必要がある」と話した。そのための取り組みを「企業・地方創生・次代を担う女性」の3つの柱に位置付け、SDGs未来都市のスキームの中で推進していくことを説明。日本企業の多くを占める中小企業のエンパワメントの必要性を明らかにした。その上で、中小企業を地域で支える役割を担う自治体の存在が改めて重要であると話した。

 次に「SDGs未来都市等からの提案」をテーマに、元NHKキャスターの国谷裕子さんのモデレータのもと黒岩知事・松尾崇氏(鎌倉市長)・牧野百男氏(鯖江市長)・鈴木康友氏(浜松市長)・竹内千尋氏(志摩市長)による取り組み紹介とディスカッションが行われ、自治体としてのSDGsの関わりが話し合われた。

 事例報告では、中島恵理氏(長野県副知事)・由布和嘉子氏(滋賀県副知事)・薬師寺えり子氏(横浜市温暖化対策統括本部長)・加藤憲一氏(小田原市長)・木村俊雄氏(寒川町長)・宇賀一章氏(真鶴町長)が登壇。それぞれのSDGsへ向けた取り組みが紹介された。

 横浜市の薬師寺えり子氏は、環境未来都市の枠組みからSDGs未来都市へと移行した経緯を紹介。横浜市の取り組みとしては、既に様々に活動がなされている各取り組みの「連携支援」の仕組みづくりの構築と、企業のニーズと地域のシーズのマッチングの推進を「SDGsデザインセンター」の構想を通して具体化していくことを表明した。

 第3部「SDGs日本モデル」に向けた金融モデルとビジネスの力

 SDGsは経済・社会・環境と、幅広い分野で各セクターがパートナーシップを強めながら目標に向かって推進していくことが求められている。第3部では、それらの社会システムを支えている基盤である金融を切り口に、SDGsを起点とした「21世紀型金融ビジネスモデルの構築」のテーマでディスカッションが行われた。

 モデレータを河口真理子氏(大和総研研究主幹)が務め、松原稔氏(りそな銀行アセットマネジメント部責任投資グループリーダー)、金井司氏(三井住友信託銀行フェロー役員チーフ・サスティナビリティ・オフィサー)、水野雅弘氏(TREE代表取締役)が登壇した。

 ESG投資をはじめとする消費者の企業への眼差しの変化やCSR、CSVといった企業の取り組みの普及など、経済中心だった企業の目線が、消費者行動の変化と共に環境中心の考えへと価値転換していることが共有された。また、投資は過去の情報をもとに未来へとお金を託すことであり、これからの社会をどうしていくべきかを考える際は、それぞれのセクター間で”ずれ”が生じる。対話を重ねてもそこに答えはないが、「未来に向けて自分たちがやりたいことに外れ値はない」という考えのもと「SDGsという物差しの中で解決策が見えてくるはず」と話された。その中で、企業・自治体・市民・NPOなどの積極的なパートナーシップ連携の中に金融も参画することにより、地域の可能性が見えてくることが指摘された。

 また、第3部では「企業からの具体的なアプローチ」をテーマに、特別協力として臼杵ひろみ氏(ファンケルCSR推進室長)から障がい者雇用や女性活躍推進の取り組みについて、第2回ジャパンSDGsアワード受賞者として高橋巧一氏(日本フードエコロジーセンター代表取締役)からフードロスの取り組み、大川哲郎氏(大川印刷代表取締役)から、SDGsの理念のもと、従業員のボトムアップ型企画提案を積極的に採用し、モチベーションを上げて働きがいにつなげていく取り組みなどが紹介された。

 第4部「SDGs日本モデル」による次のライフスタイルと次世代からのメッセージ

 「エシカルで健康的な暮らしが見えてくるクロストーク」では、SDGsという大きな目標を前にして、一人ひとりの日常生活の中でどのような行動が求められているのかを、「倫理的な消費」という意味の「エシカル消費」を切り口に、蟹江憲史氏(慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科教授)、黒田かをり氏(CSOネットワーク事務局長・理事)、末吉里花氏(エシカル協会代表理事)、上田壮一氏(Think the Earth理事)が登壇してクロストークした。

 「あなたにとってのSDGsとは」「最近購入したエシカルなものや受けたサービスは」など、登壇者同士で質問し合い、話が進められた。SDGsについては「一人ひとりの心のコンパス」「自発性を促すという意味で、素晴らしいソーシャルデザイン」「大きなチャレンジ」など、それぞれがSDGsをどのように捉えているのかの共有がされ、問題を解いて答えを導き出すのではなく、答え(ゴール)が初めから提示される中、想像力を働かせながらそこへ向かうことの「楽しさ」が、SDGsの掲げたゴールにはあると話された。

 エシカル消費をはじめとする「身近な消費の選択」を通して、これまでの消費行動の結果できあがった現在の社会システムを、次世代のために少しでも変えていくことを「次世代へ質の良いバトンを渡す」と表現し、持続可能な社会に向けて次代を担う若い世代と共に考え、社会を築いていくという登壇者たちのメッセージによって第4部が締めくくられた。

 最後に「次世代からのメッセージ」として、ESD(Education for Sustainable Development:持続可能な開発のための教育)を推進している湘南学園中学校高等学校(藤沢市鵠沼松が岡4)の生徒と教員らによる取り組み紹介とメッセージが伝えられた。鹿児島県鹿屋市と連携したプログラムやフェアトレード商品の啓発活動などが紹介され、「様々な課題が集約されているのがSDGs。SDGsを学ぶことは、今生きている現代社会を知ること。SDGsの理念を多くの人に知ってもらう活動に、私たちと一緒に取り組みませんか」と会場に呼びかけた。

 イベントの閉会挨拶には、博報堂DYホールディングスCSR推進担当部長の川廷昌弘氏が登壇し「SDGs日本モデル宣言を、自分のこととして捉えてほしい。きれいごとで勝負をする社会を子どもたちに渡したい。『質のいいタスキ』の意味を一人ひとり考えていただければ」と話した。

 

 

 今回の「SDGs日本モデル」 宣言には93自治体が賛同。宣言は、決して自治体だけのものではなく、多くの方と協働するための宣言になっている。官民の連携だけでなく、世代間を超えたパートナーシップが未来を変るという認識の下、地方自治体が国や民間企業・NPO等と連携して、地方からSDGsを推進し、地方創生を目指すという日本モデルの今後に期待したい。

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