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街に広がる光の祭典「スマートイルミネーション横浜」-4年目は"原点"へ

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■原点に立ち返る2014年、東アジアへの広がり

 「スマートイルミネーション横浜」は、2010年に横浜市の創造都市政策を推進する象の鼻テラスの「夜景開発プロジェクト」としてスタート。2011年には3月に起きた東日本大震災を踏まえ、最新の省エネルギー技術と都市観光、アートの融合を目指すプロジェクトとして第1回「スマートイルミネーション横浜」が開催された。

象の鼻防波堤で「夜景ワークショップ」-新しい横浜の夜景を作る(ヨコハマ経済新聞)

横浜都心臨海部に多彩なイルミネーション-新たな横浜夜景(ヨコハマ経済新聞)

山下公園から被災地へ、光のイベント「HOPE」-NHK「ゆく年くる年」中継も(ヨコハマ経済新聞)

アートと夜景を楽しむ「スマートイルミネーション横浜」ー街をライトアップ(ヨコハマ経済新聞)

省エネ×アートで夜景を作る「スマートイルミネーション横浜」が開幕-公募プログラムも(ヨコハマ経済新聞)

 3年にわたる事業展開の中で横浜の一大イベントとして成長を遂げてきた「スマートイルミネーション」。4回目を迎える今年は、日中韓のアーティストをはじめ、さまざまクリエーター、市民、企業が参加し、新たな夜景を創出する。

横浜市内各地で「スマートイルミネーション横浜」-アートと光の祭典(ヨコハマ経済新聞)

 そのような中で設定された今年のテーマは「Primary Light 語り合う光」。「Primary」は根源的な、原始的なといった意味を有しており、これには原点に立ち返って展開していきたいという思いが込められている。

 象の鼻エリアでは、横浜の港町らしさと、その土地に合わせた省エネルギー技術を活用した多彩なプログラムが予定されている。

 髙橋匡太さん・柴幸男さんによるビル同士が語り合う野外劇「moving projection theater『たてもののおしばい』」は、象の鼻パークを取り囲む5棟のビルがアーティストによって個性を与えられ、物語を紡ぎ出す。

 小山田徹さんによる「ちび火」は、小さいたき火を分散させ多様な人々の集まりを生み出し、人との交流の場を創り出すプログラム。もっとも根源的な光であり文明の源でもある「火」を活用することで、人と光、都市と光の関わりのあり方を問いかける。それと同時に、火を扱ったことがない子供が多く、たき火という習慣が消えつつある都市住民に、火の扱い方を学び、公共インフラだけに頼らず生き延びる技術を伝えるという教育的な目的も含んでいる。

 東アジア作家と日本人作家によるコラボレーション作品としてソーラートラックを起点に展開されるのは、韓国コンテンポラリーダンスの新世代を代表する振付家・ダンサーのキム・ジェドクさんの新作デュオ公演「Grand field」。公演後には、照明デザイナーの藤本隆行さんによるLEDライトインスタレーション「音波-光 AMP」となり、ソーラートラック内で一般来場者の声や音をLEDライトと同期させる。

 ほかにも、港町ならではの海風で電気を生み出し、風の通り道を光と色で表現する「Colors of the wind way」、象の鼻テラス屋上に光る動植物を出現させ不思議な光の世界を生み出す「Wonderland」など、さまざまなプログラムを展開する。

■作品やプログラムの公募、参加型作品も

 昨年に続き開催する公募プログラム「スマートイルミネーション・アワード」の応募総数は、海外からの応募も含む36組(39作品)と昨年の8組から大幅に増加した。

 手塚健太郎さんによる「ChAir」は、座る人同士の関係性によって光量・色などが変化させるベンチ型の「空気を読むイルミネーション」。座ったタイミングに応じてカップル、友人、他人といった特性を判断、より親しい関係であると判断された場合は空気を読んで徐々に光量を下げ、体験者のムードを高める。

 吉田葵さんと岸井悠子さんによる「Luminaous Wave-きらめく波-」、徐夢笛さんによる「Land」は、来場者と一緒に創り上げる参加型の作品。この3作品ほか、一次審査を通過した計16作品が象の鼻パークおよびパシフィコ横浜エリアに展示される。公開講評会・表彰式は最終日の11月3日に行われる。

「FutureCity Yokohama スマートイルミネーション・アワード 2014」

 髙橋匡太さんが考案した果実袋に笑顔を描いた「ひかりの実」は、今年も各所で実施。横浜港大さん橋国際客船ターミナルや三菱みなとみらい技術館、ジョイナスの森彫刻公園では、期間中にワークショップに参加することができる。

 横浜港大さん橋国際客船ターミナルでは、「市民が協働して作る『アートアミューズメントパーク』」をコンセプトに、アーティストやクリエーターが参加者とコラボレーションできる体験型プログラムを中心とした「ナイトワーフマーケット」を開催。横浜を中心に活躍するアーティストやクリエーター、パフォーマーが参加し、ライブイベントやワークショップ、マルシェなども行う。

大さん橋で参加型「光」のイベント-ワークショップやパフォーマンスも(ヨコハマ経済新聞)

黄金町でイルミネーションイベント「大岡川ゆめあかり」-ナイトカフェも(ヨコハマ経済新聞)

■地域の特色を活かしたスマートイルミネーション

 今年は象の鼻地区を中心とする横浜都心臨海部に加え、3回目となる緑区、初開催となる金沢区、鶴見区、泉区でも、各区役所が主体となって、地域の特色を活かしたイルミネーションプログラムを展開する。

 学生が主体となって取り組んだ金沢区では、「海と街と語り合う、みんなでつくるあかりの八景」を10月4日に先がけて開催。日中のアーティストと横浜市立大学と関東学院大学の学生がコラボレーションし、海と街と対話する光のアート作品展示を行った。

 参加した2大学は、区画整理事業で生まれた期間限定のスペース「はちのば」を拠点に金沢区のまちづくり活動に取り組んでおり、その一環としてスマートイルミネーションに参加。学生のリーダーを務めた横浜市立大学の鶴岡ほのかさんは「新たな町の魅力を発見してほしいと考え、来場者の方を案内するツアーを企画しました。アート作品を観ると同時に、ワークショップで作ったライトボトルを最終的には作品の一部としてアート作品にも参加できるツアー内容で、大変好評でした。参加者の方からは『いつも歩いている町が違うように感じた』という声を多くいただきました。継続的なまちづくり活動に加え、スマートイルミネーションに参加することで多くの人に金沢区の魅力を伝えていきたい」と話した。

 鶴見区では禅文化発信し続ける大本山総持寺をメーン会場に、「千の光を灯す夜」と題して10月24・25日に開催。スマートイルミネーションをきっかけに総持寺をもっと開かれた場所として、多くの人に訪れてほしいとの思いで企画された。寺での大規模なイルミネーションプログラムの実施は、神奈川では初の試みとなった。当日は5人のアーティストによる作品が総持寺の新たな魅力を浮かび上がらせ、会場は幻想的な雰囲気に包まれた。

 緑区では、11月7日~9日に「新治 あかりの学校」と題して7人のアーティストが参加し、里山を体験する「学校」に見立てたプログラムを展開する。木村崇人さんによる「雲になった森」では、里山の植物を使い、新治里山公園に小さな森を出現させる。事前ワークショップに参加した市民との共同作品となる。

 横浜市緑区役所の河原千陽(ちはる)さんは「今年は里山というロケーションを活かすことに加え、森と人との共存をテーマにアーティストの方々と相談してプログラムを構成しました。子供たちが楽しめるのはもちろん、当日でも参加できる作品も充実しています。また、市民団体の方にご協力いただき里山ならではの自然から生まれた竹籠の展示や、たき火など、スマートイルミネーション以外の企画も用意しています。スマートイルミネーションを通して、子供たちが身近にアートにふれる機会を作り、里山をはじめ緑豊かな緑区をたくさんの人に知ってほしいと考えています。プログラムへの参加希望者、来場者は回を重ねるごとに増えています。来年以降も、多くの方々と一緒になって取り組み、地域に根付いたイベントにしていきたい」と話している。

「横浜・十日市場を省エネライトアップ-光とアートの祭典(港北経済新聞)

 泉区は11月16日に「みんなで彩る、ひかりの水辺」を開催。来場者が当日楽しめる「ひかりの実」や、水辺というエリアの特性を活かしたイ・ジェミンさんによる水や雨を感知することでミステリアスに光るLED植物プランター「Lightning flowerpot」の展示を行う。

■スマートイルミネーション横浜2014
日時:2014年10月30日(木)~11月3日(月・祝)17時~22時
※初日のみ点灯式のため18時~、プログラムにより開催時間は異なる
会場:象の鼻パーク、みなとみらい21地区、ほか
主催:スマートイルミネーション横浜実行委員会
2014年東アジア文化都市実行委員会

■スマートイルミネーション新治「あかりの学校」
日時:2014年11月7日(金)~9日(日) 16時~20時
※初日はオープニングセレモニーのため17時~
会場:十日市場駅~新治里山公演
■スマートイルミネーションいずみ「みんなで彩る、ひかりの水辺」
日時:11月16日(日)16時~20時
会場:地蔵原の水辺(いずみ中央駅前)

http://www.smart-illumination.jp/

田村里佳+ヨコハマ経済新聞編集部

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