特集

「みなとみらい大学」代表 潟沼潤さん
市民大学から「Smartエコな未来のヨコハマ創り」を

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■北海道から横浜へ「3日住めばハマっこ」

―潟沼さんは北海道のご出身で、5年前までは札幌の大学で教鞭をとられていたのですね。横浜に来られたのはいつですか。

 3年前です。自分は横浜が大好きで、これからここに骨を埋めるぞ、というくらいの気持ちがあったのですが、まだ新米で自分が横浜人だと言えなかった時に「3日住めばハマっこ」という言葉を聞きまして。その時からますます横浜が好きになり、ハマっこだと言えるようになりました。

―横浜では「はまっこストリーム」というUSTREAM番組にも共同プロデューサーとして関わっていらっしゃるそうですね。

 この番組は横浜にいる人や団体をつなげていこう、そのハブになるような番組を目指すというものです。そこで誰かが出会って何かが生まれていく、それをまた発信していくという流れですね。

横浜発のUSTREAM番組「はまっこストリーム」開局-費用は0円(ヨコハマ経済新聞)

はまっこストリーム(USTREAM)

■Smartエコな学びの場「みなとみらい大学」とは

―では本題のみなとみらい大学ですが、一言でいうとどういったコンセプトなのですか。

 テーマは「Smartエコな未来の横浜創り」です。単に新しいことを学んで「良かった」というのではなく、学んだことからもう一歩踏み出して、生活や仕事、地域の場などで実際に行動に移してみる。そんな人たちをつくる学びの場にしていきたいと思っています。

―「みなとみらい大学」というネーミングの理由は。

 みなとみらいというエリアが新しい街なので、誰でも、外からでも入ってきやすいかなと思ったからですね。横浜はやはり港から始まった街なので、陸の上だけでなく港も活気があるのがいいですよね。あと未来につながっていく、という趣旨とつながるところも理由の一つです。

―スマートやエコをテーマにしようと思ったきっかけを教えてください。

 横浜を大事にしたいという思いはもちろんなんですが、市民大学をつくろうと話していたのがちょうど3.11の東日本大震災が発生した直後だったんですね。それで、どんな講座をやろうかと話を詰めていた時に、自然とエネルギーの話や、土地や地域、ひいては地球を大事にするという話は避けて通れないなという流れになっていましたね。

―大学はいつ正式にスタートしたのですか。

 正式な開校は8月27日だったのですが、10月1日にはオープンキャンパスも予定しています。会場はランドマークプラザとクイーンズスクエア横浜の間にあるクロスパティオの中のグリーンスポットという場所です。ちなみにみなとみらい大学は教育法上の学校法人による大学ではなく、市民の人たちが自主的に参加できる学びの場としての、いわゆる「市民大学」です。

イベント予定(みなとみらい大学)

■「食」がスタートであり大きなテーマ

―具体的にはどういったカリキュラムを用意するのですか。プレ講座では食をテーマに開催したそうですが。

 もともとこのみなとみらい大学を企画していたときから、フードコーディネーターやシェフの方との出会いの中で話が進んでいたんですね。それで当然の流れとして食や地産地消、横浜野菜というのをテーマの一つとして扱うことになりました。料理をするにはその土地のものを使うのが一番いいわけで、土地の料理というのはやはりおばあちゃんからお母さんへ、そして娘へと家族で代々伝わっていくものですよね。そして家族が広がって地域のコミュニティになって、街になって国になる、と。そういう意味での一番基本的なものが食だと考えています。

―そこからさらに広げて、エネルギーや温暖化の話も含めたカリキュラムも設けるという形でしょうか。

 そうですね。あとは地球を意識しつつ体を使うものとしてヨガの講座ですとか、英語と栄養学を交えたような講座、防犯を普及啓発する団体と連携しての「高齢者の見守り」をテーマにした講座などを企画しています。それからエコとおとぎ話をテーマとしたラジオドラマのプロジェクトも動き始めていて、オープンキャンパスで披露しようと準備しています。

■参加の方法は

―講座を受けるにはどうしたらよいですか。

 基本的にはウェブ上で講座を紹介し、オンラインやお電話で申し込みを受け付けます。大学時点の拠点もいくつか候補の中から設けるつもりで準備しており、できればカフェ的な場所にしたいと思っていますが、そこが窓口となりますね。現在NPO化するための申請を進めているのですが、会員となれば受講料が割引されるほか、企画や運営に関わりたいという方も大歓迎ですよ。ちなみに参加側も作る側も、もちろん横浜市内在住や在勤でなくても問題ありません。

―何度かプレ講座を実施してみての感触は。

 皆さん特に食についてはすごく意識が高いようで、ただ食べて「美味しいね」というだけではなく、「横浜でこんな野菜が作られているのか」「じゃあそれをどう生かせるか」「どこで売っているのか、どんな人が作っているのかをもっと知りたい」という方が多かったですね。

―6月に行われた2回目のプレ講座は、積水ハウスによる実証実験住宅「観環居」で行ったそうで、そちらでは今後もいろいろな講座を予定しているそうですね。

 はい。これは同社がみなとみらい地区に設置した総務省事業「スマートネットワークプロジェクト」の実証実験住宅です。和風テイストの素敵なモデルハウスなんですね。今後もぜひいろいろなことを一緒にやっていきましょうと言って頂いているので、うまくコラボレーションできればと思います。具体的には、10月29日に「お家から地産地消~横浜農業の可能性をさぐる~」というワークショップを予定しています。

みなとみらい大学が「食」講座-保土ヶ谷区の農家の13代目を講師に(ヨコハマ経済新聞)

観環居(積水ハウス)

―最後に市民の方へ向けたメッセージをお願いします。

 横浜に「何かをやりたい」「こういうことをできるようになったらいいな」と考えている方ってたくさんいると思うんですね。でも具体的に動くために、やはり一人では難しい。そこで皆で集まって、できることから学んで、やってみようと思う人を手伝っていくうちにいろんなことができるようになっていければいいなと思っています。

―ありがとうございました。

みなとみらい大学

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※ヨコハマ・エコ・ビューイング
環境キーパーソン公開取材「ヨコハマ・エコ・ビューイング」は毎週火曜の19時30分~20時30分に、共同シェアオフィス<さくらWORKS関内>で実施中。会場で聴講が可能なほか、USTREAMによるインターネット生中継も行われている。

ヨコハマ・エコ・ビューイング(横浜コミュニティデザイン・ラボ)

廣田清 + ヨコハマ経済新聞編集部

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