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特集

ミュージシャン 白井貴子 さん
「自然を大切にすることが自分を豊かにする」

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■「第九」のコーラスで自分が音楽に包まれていることを全身全霊で感じた

―白井さんは大学がフェリス女学院音楽科の出身で、今年から活動拠点も「野毛Hana*Hana」に移されたということで、横浜で特に愛着を感じるのはどういうところですか?

 昔から横浜の洋館がすごく好きでした。大学にフェリス女学院を選んだのも、横浜でも特に洋館が多い山手にキャンパスがあったからというのが理由の1つでした。洋館が立ち並ぶ、そういう空間に足を運びたいという気持ちで横浜に来ていましたね。

―当時の横浜で印象的だった思い出はどういうことですか?

 忘れられないのは、米軍の人たちが駐在していた本牧エリアのなだらかな丘に、ポツリポツリと山小屋みたいな小さいコテージがいくつかあって、すごく素敵だったんです。こんなところに住みたいと思って、写真を1枚撮ったんですけど、その写真は今でも持っています。その丘に遊びに行ったときは、ここが音楽村になったらいいのになって思いましたね。好きに自由に音楽ができるから、これをそのまま残せばいいのにと感じました。

―音楽活動をするきっかけになったような経験はどういうことですか?

 当時、大学の授業の一環で「第九」のコーラスを全員で歌う授業があったんですが、それがすごく楽しみでした。あの時に、自分が音楽に包まれているのが本当によくわかって、楽しいなと思いましたね。音楽ってなんて素晴らしいんだろうということを、第九のコンサートを通じて全身全霊で感じたのが忘れられないです。

―その時のコーラスの経験がミュージシャンとしての活動にもつながっているんですね。

 そうですね。そこで音楽に包まれていることを体感したからこそ、よしまたもっと次やろう、もっと次いいものを作りたいという気持ちになりました。2001年に神奈川県の合唱曲を作った時に、同じようなコンサートを神奈川県民ホールでやらせて頂いたんですが、その時もみんなで歌うことでのマンパワーを感じて、第九を歌って感動した時のことを思い出しましたね。

野毛Hana*Hana

■森から元気やエネルギーをもらって、地球と共に生きていく

―横浜市の「YES 環境アンバサダー」、神奈川県の「かながわ環境大使」として環境問題に取り組まれていますが、環境問題を意識するようになったきっかけは?

 80年代の音楽業界でがんばりすぎてボロボロになってしまっていた時に、足下に小さなマーガレットの花が咲いていて、子どもの頃に野原を楽しく駆け回っていたときの自分がそこに咲いている気がしました。この花のようにもう一度咲き直して、大地の力をもらえるようにということから始めないといけないと思って。 その後仕事を減らしてロンドンに滞在していた時、向こうはアンティークなものをとても大切にする文化だったんですね。それでその心持ちのまま日本に戻って来たら、まだまだ着れそうなものとか、使えそうな電化製品が綺麗に捨ててあるのを見て本当に驚きました。こういうところから改めていかないと、素敵な街には住めないんじゃないかと感じて、それが大きなきっかけでしたね。

―環境問題をいち早く意識されていたんですね。

 環境を意識し始めてからは、セメント採掘工場で山が埋められている風景を見たり、工事現場で地面を掘るガーンガーンという大きな音を聞いたら、自分自身を傷つけているような気がして。それからは地球と共に生きていきたい、役立つことをやりたいと望みましたし、10年ほど前に森を買ってからは、森からいろんな元気やエネルギーをもらっています。

―去年発売されたアルバム「地球-HOSHI-」は、自然を感じさせる音が使われていて、そうした経験や意識が音楽にも現れているように感じました。

 そうですね。実際に森の中で何曲も作りましたし、10年前には歌えなかったような内容も歌えるようになりました。アルバムに入っている「Start Again」という曲は、10年前に作った曲なんです。当時ロンドンで、これから私はスタートアゲインでがんばるぞっていう思いで作った曲だったんですが、その時作った曲はほとんどお蔵入りさせていました。でもやっと本格的に環境問題が叫ばれるようになって、今まさにスタートアゲインという時代、ちょうどいい時期なんじゃないかなと思ってその曲を入れました。

―当時から感じていたことが、今になってつながってきたんですね。

そうですね。でも先を行き過ぎてもいけないんですよね。そういうこともわかった上で、古いとか新しいとかは関係なく、感性のままに歌えたらと思っています。

ヨコハマ・エコ・スクールが「映画でエコ」考える開校記念講座(ヨコハマ経済新聞)

tvkが地産地消をテーマにイベント-白井貴子さんライブも (ヨコハマ経済新聞)

ヨコハマ・エコ・スクール(YES)

かながわ環境大使のページ

■子どもたちにまず少しでも自然の中で遊んでもらうこと

―「全国植樹祭2010かながわ」のテーマソングを担当されていますが、どのようなコンセプトで作曲されたんですか?

 今年5月に松沢しげふみ神奈川県知事と県の職員のみなさんと初めて丹沢の山に登った時に、新緑の丹沢が素晴らしくて、自分たちが森のエネルギーをもらって生きているんだということがすごくよくわかりました。でも、その山の頂の方は枯れてしまっていてすごくショックだったんです。厳かな雰囲気で歌うような感じの歌はその時にできたんですが、できるならみんなで合唱して楽しめるような曲ができたらいいなと感じて、みんなで合唱できる「森へ行こう」というタイトルの曲を作りました。植樹祭とこの歌を通じて、都会に住んでいる人たちにも森へ行こうという気持ちが伝わればと思います。

―子どもたちの世代に自然環境を残すためにこれから必要なことはどんなことだと思いますか?

 これからの時代を担う子どもたち、若い人たちに、まず少しでも自然の中で遊んでもらうことだと思います。雨上がりの山や森は特に気持ちがいいですから、新鮮な空気を吸って、その気持ち良さを体中で吸い込んで体験することが一番の環境作り。環境学習をしに行こうといって環境学習ができるわけではなくて、まずはとにかく自然の中で遊ぶこと。子どもたちにとってそういう時間が増えるように、大人ががんばっていければなと思います。

―自然の中で遊ぶことによって、自ずと自然の大切さに気づくことができるんですね

 そうですね。子どもの頃に自然で遊んだ時間が長いほど、それが大人になってフィードバックして、大人になってからの時間も豊かになると思うんです。人間は自然がなければ生きられないですから、自然を大切にするということは自分を豊かにすること。自然と触れ合う時間を持つということは、命の大切さを学ぶことであって、そういう体験をしたことが大人になってつながってくると思います。

赤レンガで「全国植樹祭」カウントダウン-白井貴子さんミニライブも(ヨコハマ経済新聞)

全国植樹祭2010かながわ

■横浜の川が、魚が一匹でも多く戻ってくるような水の流れに変われば

—10年、20年後、これからの横浜をどのような街にしていきたいですか?

 横浜の綺麗な街並が大好きで憧れていたので、今は汚れてしまっている横浜の川が、将来は綺麗になって、魚が一匹でも多く戻ってくるような水の流れに変わればと思います。自分の会社「ROD」も、「River Of Dreams」という意味で、自分の家の近くを流れている川がきれいになれば、しいては海も綺麗になるという思いを込めてつけた会社名なんです。もっと環境に配慮して、空気も森も川も海も、もっともっと綺麗になったらいいなと思います。

―これからの音楽活動、環境活動を通じて新しく取り組みたいことはありますか?

 子どもたちが自然を体験する時間が増えるように、そういう場所に似合う歌をもっともっと作りたいですし、役に立てるようになりたいですね。また、私がやり始めているのは、「童謡」を輸出すること。この神奈川県の中で、日本を代表する童謡がたくさん生まれています。日本の童謡自体が、今は子どもたちにあまり知られていないので、誰かが歌い継がないと消えていってしまう。純国産の生活感があふれている童謡を伝えていくことは、日本だけでなく世界中の人たちにとっても意味があると思っています。

―ありがとうございました。

白井貴子 オフィシャルウェブサイト "ROD Marguerite Ground"

この特集記事は、横浜市の都市ブランド共創プロジェクト「イマジン・ヨコハマ」とヨコハマ経済新聞のタイアップ企画です。「つながりインタビュー」の詳しい内容は、イマジン・ヨコハマのホームページでご覧になれます。

イマジン・ヨコハマ つながりインタビュー

古屋涼 + ヨコハマ経済新聞編集部

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