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特集

人と情報が出会う場をつくり続ける。
tvkが目指す新しい「テレビ局」像とは?

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■公開収録も行う多目的スペース「ヨコハマNEWSハーバー」

公開収録も行う多目的スペース「ヨコハマNEWSハーバー」 テレビ神奈川(tvk)が、ニュース番組の公開生放送する新番組「tvkNEWSハーバー」を7月10日より開始した。その収録スタジオとして使うのは、tvkの本社がある横浜メディア・ビジネスセンター1階を改装して作った多目的スペース「ヨコハマNEWSハーバー」。番組の収録スタジオとしての機能以外にも、インターネット端末が使えるインフォメーションコーナー、イタリアンを中心とした創作料理のレストランカフェの営業、イベントスペースとしての活用など、訪れた人や地域住民の交流拠点として活用できるスペースだ。敷地面積は約580平方メートルで、16日からレストランもオープンする。

tvk ヨコハマNEWSハーバー tvk、「ヨコハマNEWSハーバー」で公開生放送開始 tvk、MBC1階を公開スタジオに改装-昼と夕方に生放送

 「ヨコハマNEWSハーバー」の名前には、船が集まっては出て行く「港」のように、外から集まってくる情報を発信していく場所という意味が込められている。インフォメーションコーナーではインターネット端末を使って情報にアクセスすることができる。グランドピアノが設置されたレストランカフェ「Witch Cafe Yokohama」は7月16日オープン予定。当初はディナー営業のみだが、24日からはランチ営業、8月1日からは7時~23時までのフル営業となる。壁面には300インチの大型スクリーンが設置されている。普段は高校野球中継や自社番組などを放映するほか、イベント時には映像を投影することもできる。

ニュースハーバー室の室長を務める伊藤さんtvkではこのスペースのオープンにあたり、社内に「ニュースハーバー室」を新設した。その室長を務める伊藤さんは、「スタジオの機材やセット、パーティションはバラす(動かす)ことができます。平日は昼と夕方に番組収録があるので、ホールの貸し出しは平日の夕方の番組収録後や土日に行う予定です。コンサートや展示会、ギャラリー、講演会など、地元の皆さんと様々な企画を実現していきたい」と意気込みを語る。

■公開生放送のニュース番組「tvkNEWSハーバー」がスタート

公開生放送のニュース番組「tvkNEWSハーバー」がスタート その「ヨコハマNEWSハーバー」の公開スタジオを使った新番組が7月10日からスタートした。番組名は「tvkNEWSハーバー」、放送時間は毎週月曜~金曜の17時30分~18時10分。番組内容は、県内ニュースを伝える「tvkニュース」、日替わりで地元の話題や旬のテーマ、生活に役立つ情報を紹介する「特集」、神奈川新聞記者が世論に賑わせている問題を分かりやすく解説する「神奈川新聞ニュース縦横ななめ」、県内の天気を伝える「明日の天気」など。特集では、スペースに設置したアンケート用紙や番組ホームページで実施する意識調査の結果発表や、インターネット中継を使って夕暮れの街に出てその表情を生で伝える。地元コミュニティFMのスタジオとのコラボなど、新しい試みも取り入れる。

報道制作局制作部長の諏訪さん スタジオスペースは透明なパーティションで区切られているため、360度の方向から番組収録の様子を見ることができる。観覧希望者を募集して収録する「公開番組」の形ではなく、スタジオをガラス張りにして、来た人に収録の裏側まで見せるという形だ。ニュース番組を公開生放送するというのは他ではなかなか見ることができないだろう。同社報道制作局制作部長の諏訪さんは、「これまでの夕方のニュースに地域情報のコーナーを取り入れました。報道部と制作部が協力して作っています。まだまだ手探り状態ですが、ぜひ足を運んでいただき、番組づくりの裏も表も自由に見ていただきたい」と語る。

■街の人の反応がダイレクトに伝わるサテライトスタジオ

tvkアナウンサーの尾辻舞さん 7月12日にこの新しいスタジオで新番組「tvkNEWSハーバー」の収録を終えたアナウンサーの尾辻舞さんに話を聞いた。尾辻さんが担当するのは、番組全体の進行とニュースの間に入る特集コーナー。特集は日替わりでテーマが変わるが、基本は情報発信者のスタジオ出演。尾辻さんが出演する水曜日の内容は、ハーバー内のアンケート掲示板や番組ホームページを使い、様々なテーマで意識調査を実施する「関内意識調査」と、販売員も登場して話題の商品を紹介する「商品研究所」など。毎回さまざまな人をスタジオに迎えて放送している。番組ではホームページを使い、視聴者からの情報も募集している。

tvkNEWSハーバー

学校の野球部を応援する高校生たち 尾辻さんはお昼の情報番組『ハマランチョ』にも出演している。『ハマランチョ』でも部分的に1階から生放送をしていたが、この新しいスタジオでの放送は初めてで少し緊張したという。「『ハマランチョ』のときは窓を背にしてカメラの前に立っていましたが、この新しいスタジオで窓に向かって座ります。だから、関内の街を行き交う人たちが足を止めてスタジオを覗く目線と対面します。目の前の人のダイレクトな反応を見ることができるのは嬉しいですね。収録風景を見ることをきっかけに、番組に興味を持ってくれればと思います」。新しいスタジオでの収録は、街を行き交う人が「何をやっているんだろう」と覗くようなサテライトスタジオとしての機能も果たしている。

ハマランチョ

■作業の効率化が課題となった、データ放送とワンセグ放送

大型ディスプレイが設置されている「ヨコハマNEWSハーバー」 一方、ITの進化により、データ放送、ワンセグ放送など新たな放送・通信事業が生まれた。同局でも昨年4月からテレビ放送と一緒に様々な情報を同時に送ることができる「データ放送」を開始し、今年6月から携帯電話や移動体端末向けの地上デジタル放送サービス「ワンセグ放送」も開始した。tvkのワンセグのメニューは次の5つ。県内各地の天気を詳しく伝える「天気」、県内・全国・スポーツニュースを伝える「ニュース」、県内のイベントや市町村の行政情報を網羅する「地域」、上映中の映画と映画館の情報を提供する「映画」、音楽番組の月間おすすめアーティストの情報が見れる「音楽」だ。外出先で無料でテレビ放送を見ることができ、地域密着の情報にアクセスできる便利さはこれまでにないもので、ワンセグ対応携帯の普及とともに、利用者も拡大していくことだろう。

編成局モバイルデータ放送部副部長の鈴木さん しかし、地方局がこうしたデータ放送やワンセグ放送に対応していくのは簡単なことではないと、編成局モバイルデータ放送部副部長の鈴木さんは指摘する。「『データ放送やりましょう』『ワンセグやりましょう』と簡単に言っても、それに対応する人材や仕組みが必要です。しかし、キー局に比べ少規模で運営している地方局では、そこに要員を割り当てるのは難しい。弊社ではデータ放送もワンセグ放送も、ホームページやモバイルサイトを担当する部署の新たな仕事となりました。そこで、いかに作業を効率化するかが大きな課題となりました」。

 例えば、データ放送では県内全市町村の行政情報を見ることができるが、この情報をメールやFAXで受け取って更新していたのでは人手がいくらあっても足りない。そこでデータ放送用の「コンテンツ管理サーバ」を独自に開発し、各広報担当者にサーバにアクセスして自分で更新してもらうようなシステムに変えた。「ここで登録された情報はウェブの速報、データ放送、ワンセグ放送と、『ワンソース・マルチユース』に使っています」(鈴木さん)。また、会員制モバイルサイトと誰でも見れるワンセグ放送は同じ携帯で見るため、情報量に違いを出している。ワンセグ放送をユーザーの入り口にして、もっと詳しい情報を知りたい人は会員制モバイルサイトへと誘導するというわけだ。

■モバイルサイトやワンセグ放送を使った新しい取り組み

tvkワンセグ放送の受信画面 そうしたtvkのモバイルサイトとワンセグ放送の連動のなかでも新しい取り組みが、音楽番組と連携して番組がお勧めするアーティストのCDやDVDを販売する「ワンセグ連動型eコマース」だ。6月1日のワンセグ本放送開始に際し、イメージクエストインタラクティブとの業務提携により、tvkのモバイルサイト内にショッピングサイト「tvk music store」を新設した。これはtvkの音楽番組で取り上げたアーティストのCDやDVDなどのパッケージ商品を販売していくもの。ユーザーは、ワンセグ放送の中の「tvk music showcase」でtvkの音楽番組コンテンツとアーティストのプロフィールを見ることができ、気に入れば、アーティスト名をクリックすると「tvk music store」にジャンプしてすぐに商品が買えるというシステムだ。今後はCD、DVDのみならず、アーティスト関連グッズやライブチケットなどにも手を広げる方針だ。

tvk、「ワンセグ」連動型音楽ショッピングサイト開設

会員制モバイルサイトで配信している高校野球神奈川県大会の試合の動画 モバイルサイトとワンセグ放送の連動とは違うが、もう一つ注目すべき取り組みがある。tvkはこの夏、高校野球神奈川県大会の試合の動画を会員制モバイルサイトで配信するという、これまでにない試みを開始した。配信する動画は2種類で、1つは同局で野球中継している試合で最も見所のあったハイライトシーンの動画約40秒を配信するというもの。これは試合終了後、なるべく早く配信しているという。もう1つは、同局で野球中継されていない試合のダイジェスト動画。これはtvkの番組「高校野球ニュース」用にまとめた映像で、番組放送終了後に配信している。神奈川県は全国一の参加校数196を誇る激戦地区で、応援する県民の関心も高い。外出先でいつでも高校野球の見所を動画で楽しめるのは嬉しいサービスだ。

■放送と通信の融合の最大のポイントは、作り手の意識

収録の裏側まで見せるという公開スタジオ こうした事例を見ると、放送と通信は確実に融合しつつあるように思える。しかし、鈴木さんはそうしたシステムの充実とともに、制作現場の意識が重要だと指摘する。「私たちは現場に対して、こうした仕組みや使い方があるよ、と提案しているつもりです。現場側がそうした仕組みを使って『もっと面白がっちゃえ』とならないと、ただテレビで放送した番組映像を使い回すだけになってしまう。コンテンツの作り手側の意識がもっと変わらないと、本当の意味での放送と通信の融合にはならないでしょう」。

7月からスタートした「sakusakuポッドキャスティング」 そうした意味で、7月からスタートした音楽情報番組「sakusaku」のポッドキャスティングによるトーク番組「sakusakuポッドキャスティング」には注目したい。当初は番組に出演するサブキャラクターが「今週のみどころ」を紹介するという内容だったが、第3回から第9回までは夏休み特別企画として趣向を変え、番組MCの中村優さんと番組キャラクターの白井ヴィンセントが出演することが決まった。毎回設定されたテーマで「FM風」のトークを行うとのことだが、これはもはやラジオ版「sakusaku」という全く新しい番組と言えるだろう。制作スタッフが顔を出し、誰よりも面白がって作っている「sakusaku」のような番組は珍しい。

sakusaku 中村優さん出演の「sakusakuポッドキャスティング」開始

 情報発信できる場所が増え、今やテレビ局もテレビ放送番組だけを考えてはいられない時代。ユーザーが情報を得る様々なシーンに合わせた、地元に密着したコンテンツ、独自性の高いコンテンツを生み出していくことが求められている。そのために、作り手側が楽しんで仕事をしている姿を見せていくというtvkの姿勢が印象に残った。

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