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横浜市が「都市デザインビジョン」への市民意見募集-未来の横浜の風景を描く

日本大通りも都市デザイン室が景観形成に携わった代表的な事例

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 横浜市都市整備局が、今後の都市デザインの重要な考え方をまとめる「横浜都市デザインビジョン(案)」策定に向けて、市民の意見・感想を募集している。

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 横浜の都市デザイン活動の始まりは1971年。取り組んできた先進的なまちづくりは、全国の自治体に影響を与えてきた。「魅力と個性のある人間的な都市」の実現を目指し、地域によるシンボルツリーの保全などの身近な活動から、ベイブリッジやみなとみらい21地区の景観形成などの大きなスケールの活動まで幅広く、横浜固有の価値ある風景を作っている。

 策定するビジョンは、昨今の社会変化などをふまえ、これまでの都市デザイン活動を再整理し、これからの活動の羅針盤になるよう作成するもの。行政や一部の専門家のみが取り組むものではなく、自分の生活と横浜をより豊かにしようとする人が主体的に、また、都心部だけでなく横浜市全域において取り組めるよう想定されている。

 今回発表された「横浜都市デザインビジョン(案)」は、まちのこれからの風景を思い描く際に重要な「着眼点」、まちの風景を作るときに大切にする「価値観」、それらをふまえた都市デザイン活動の「取り組み方」の大きく3つにわたる基本的な考え方と、横浜市が思い描いてみた都市横浜の未来の風景のスケッチが記載されている。

 特に、巻末16ページにわたり描かれているスケッチは、臨海工業物流地区から都市部、郊外の駅前、農地や里山のある風景などがイラストで表現され、「自然エネルギー発電」「港の見える見通し景観の確保」「市庁舎跡地や山下埠頭の大規模な土地利用転換」「移動自体が楽しい」「道路や公園などの地域によるマネジメント」「安心して農業が出来る」などたくさんのコメントを掲載。見る人それぞれに「自分ごと」としてまちを考えてもらえるように工夫している。

 今回の意見募集は、横浜に関わるよりたくさんの人に未来の横浜の風景を思い描いてもらいたいと、本ビジョンについての意見やそれぞれが思い描く風景、取り組みたいことなどを広く市民から募る。集まった意見を参考に、3月中にビジョンを取りまとめる予定。

 横浜市都市デザイン室の綱河功室長は「横浜が都市デザインに取り組み始めて40年以上たつが、これまでどういう価値観を持ってやってきたのか、言葉で表現したことはなかったので、初めて作ったビジョンということになる。今後横浜が魅力あるまちであるためには、多くの人にこの価値観に共感してもらうことが大切と考え、ビジョン公開と意見募集を思い立った。ぜひ多くのみなさんにご意見いただきたい。そして、それぞれが自分の取り組みとして取り入れてもらい、都市デザイン活動の日常化を目指したい」と話している。

 募集期間は3月3日まで。都市整備局都市デザイン室のホームページにビジョン本編の詳細が記載されているほか、市民意見募集資料が市庁舎や各区役所区政推進課広報相談係などで配布されている。意見の送付方法は、市民意見募集資料のチラシに添付されたはがき、FAX、メール、または都市整備局都市デザイン室まで持参。

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