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ホテルニューグランドで戦前の花形客船「秩父丸」ディナー再現

再現メニューを披露するホテルニューグランド宇佐神茂総料理長

再現メニューを披露するホテルニューグランド宇佐神茂総料理長

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 ホテルニューグランド(横浜市中区山下町10)で1月9日、戦前のサンフランシスコ航路の花形客船「秩父丸(ちちぶまる)」のディナーが再現された。

フランス料理を基調とした当時のディナー(1等船客)

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 客船「秩父丸」は、浅間丸(あさままる)、龍田丸(たつたまる)とともに、日本郵船が世界の一流客船を目指して建造した日本を代表する客船。17,498総トン、全長177.77メートル。船客定員は1等226人、2等96人、3等500人。1930年に横浜船渠(せんきょ)で建造された。

 今回、横浜みなと博物館(西区みなとみらい2)で2月15日にスタートする企画展「横浜港ゆかりの船物語展 - 黒船からクルーズ客船まで」に合わせ、フランス料理を基調とした当時の豪華な秩父丸のディナーを、ホテルニューグランドの協力を得て、現存するメニューから再現した。

 当日は、ホテルニューグランドの宇佐神茂総料理長が、荒田勇作著の西洋料理本を参考に再現したディナーの複製を報道陣に披露。荒田勇作は、同ホテル初代総料理長のサリー・ワイルとともに働いていた日本人シェフで、日本に洋食文化を広めたひとりとして知られている。

 再現した秩父丸のディナー(1937年4月6日)の内容は、「冷製フルーツサラダ」、「澄ましスープ、ヴァランシェーヌ風」、「鰈(かれい)のヴィクトーリア風」、「鴨の煮込み、シャスール風」、「牛鞍(うしくら)下肉蒸し焼き、西洋わさび添え」、「白雪風ポテト」、「フルーツ入りプディング、スフーレ」など。

 日本郵船は、17,000総トン級の3隻(浅間丸、龍田丸、秩父丸)の就航にあたり、質の高いサービス、とりわけ食事を重視した。司厨長やベーカーをヨーロッパで研修させるとともに、フランスからシェフを講師として招き、横浜支店内に司厨員養成所を設置。当時、日本郵船の客船の料理は「帝国ホテルか、郵船か」と言われるほど高く評価されていた。

 秩父丸の1等船客の食事は、フランス料理を中心とした大変豪華なもので、食卓を飾るメニューには、外国人船客に日本文化を紹介するために、浮世絵などの日本の美術や風景写真が表紙デザインに用いられ、そのまま船旅の記念として持ち帰ることができた。

 宇佐神総料理長は「ホテルニューグランド開業当時に郵船系列のシェフがいたこともあり、郵船と戦前のホテルニューグランドのメニューには共通点が多い。今でもニューグランドファンに愛されている同じようなメニューを船内で提供していたことが感じられる」と語る。

 また、「昔の料理は食べて記憶に残る、しっかりと味わってもらうレシピ。今でもごちそうと言える豪華な内容で、特にベシャメルソースを使ったメニュー『鰈のヴィクトーリア風』は手間がかかっている一品。ホテルニューグランドでは、ドリアの提供もありベシャメルソースを継承しているが、このソースを提供しているレストランもだんだん少なくなっている。メニューの再現を通して、先人達のすごさを改めて感じた」とも。

 日本郵船は1926年、東洋汽船から継承したサンフランシスコ航路の営業を開始。当時、太平洋航路にはアメリカ客船、イギリス客船の優秀船が就航し、日本の客船は劣勢だった。日本郵船は政府の補助のもと17,000総トン級の3隻(浅間丸、龍田丸、秩父丸)の建造によって劣勢の挽回を図ろうとし、秩父丸は横浜船渠へ発注された。

 横浜船渠にとって、17,000総トン級の大型客船の建造は初めてのことで、横浜船渠は設備を拡充し、多数の設計者を召集したほか、大きな客船建造のため技術者を欧州へ出張させた。秩父丸の船内は安全設備と、インテリアはフランス、イギリスの一流の室内装飾が施され、欧米の客船にひけをとらない最高水準の客船が完成。秩父丸は1930年に就航し、横浜~サンフランシスコ間を約12日間で結んだ。

 企画展「横浜港ゆかりの船物語展 - 黒船からクルーズ客船まで」の開催期間は、2月15日~4月6日。船内の食事から船の役割にいたるさまざまな資料を通じて、幕末の黒船から現代のクルーズ客船まで、それぞれの船が持つ横浜港との関係について紹介する。

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