公益的な活動を担う神奈川県内のNPO(非営利団体)の寄付案件を、デザイナーがフライヤー(チラシ)制作で支援する「かながわをもっと元気に!共感発信プロジェクト」(主催・神奈川県/運営・NPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボ)は1月12日、かながわ県民センターホール(横浜市神奈川区鶴屋町2)で、審査会と表彰式を行った。
グランプリには、神奈川県茅ヶ崎市出身のルダシングワ(吉田)真美さんが主宰するNGO「ムリンディ・ジャパン・ワンラブ・プロジェクト」のフライヤーを制作した影山大祐さん(東京都世田谷区)が輝いた。
この事業は、2012年度「神奈川県新しい公共支援事業」の一環。NPOの発信力を高め、寄付文化を醸成し、公益的な事業に対する新たな資金調達への関心を喚起することを目的としている。
県内で活動するNPOなどを対象に「寄付を募りたい」プロジェクトを募集し、選定された12のNPOに対し、デザイナーを紹介し、2人3脚で「共感を得るデザイン」を考え、フライヤー(紙チラシ)を制作する企画となっている。
2012年夏からスタートし、11~12月にかけてNPOとデザイナーが綿密なコミュニケーションを重ねてデザイン・テキストを制作し、各団体2,000枚のフライヤーを印刷した。
審査会では、12のNPO団体と担当デザイナーが3分ずつプレゼンテーションを実施。今回のフライヤー作成が、活動の良さを引き出そうとするデザイナーと、寄付案件について熟慮を重ねる活動団体双方にとって、対話と学びの機会になったエピソードがいくつも披露された。審査員は、マスメディア、ファンドレイズ、ソーシャルメディア活用、デザインなどの専門家5人で構成。訴求力・共感力などの指標を用いて、評価した。
グランプリを獲得したNGO「ムリンディ・ジャパン・ワンラブ・プロジェクト」のフライヤーは、同団体が進める「障害者に義足と服と靴をプレゼント」の寄付を募る内容。担当した影山さんによる「ハートと義足を組み合わせたビジュアルデザイン」「アフリカで実際に義肢を使っている人たちの声を生かした力強いメッセージ性」が高い評価を得た。
このほか、優秀賞にはNPO法人「ホタルのふるさと瀬上沢基金」(角田東一代表、横浜市港南区)×横山功志さん、市民賞にはウェブ投票でトップの8424ポイントを獲得した「フェアスタートサポート」(永岡鉄平代表、NPO法人申請中)×アオキジュニヤさんが選ばれた。
そのほか、各審査員による特別賞は次の通り。イノウエヨシオさん(かながわ寄付をすすめる委員会委員長・ファンドレイジングプロデューサー)選=NPO法人「湘南スタイル」×Pips、篠原慎一郎さん(神奈川新聞社取締役)選=任意団体「コラボックル」×秋山直子、山田泰久さん(日本財団CANPANマネジャー)選=任意団体「ユニバーサル絵本ライブラリー UniLeaf」×船川諒、並河進さん(電通ソーシャル・デザイン・エンジン、コピーライター)選=NPO法人「太陽の村」×橋本文子、松平健さん(かながわデザイン機構理事)選=NPO法人「エンパワメントかながわ」×七色ビー玉(宮田あゆみ・吉田亜希子)。