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吉田町の築55年「昭和の共同住宅」にアーティストのシェアハウス

シェア・ハウスを手がけた佐久間衛さん

シェア・ハウスを手がけた佐久間衛さん

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 横浜市中区吉田町にある1957年築の共同住宅「第一共同ビル」の中に、アーティストのためのシェア・ハウスが誕生した。

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 プロデュースしたのは同じビルの中に設計事務所を構える佐久間衛さん。吉田町は近年ダイニング・バーやギャラリーを誘致し、ストリート・フェスティバルやアート・イベントも企画して新しいまちづくりを推進している。佐久間さんはそのイベント活動などに積極的に携わっている。「アーティストとして大望を抱く、おもしろい人に入ってほしい。それが地域にとっても活性剤になると思う」と話している。

 今回オープンしたシェア・ハウスは、この共同ビルが建った当時から存在するそば屋の2階にある宴会場をリノベーションしたもの。コンクリートの壁に配管がむき出しのスケルトン・スタイルのモダンな空間に生まれ変わった。総面積約100平方メートル。台所と風呂場、トイレ、プチ・アトリエが共有部分で、約4畳の個室が6部屋ある。家賃は礼金・敷金なしで1カ月3万3000円から。すでに4部屋に借り手がついている。

 吉田町には、昭和30~40年代に地域の防火対策によって建造された鉄筋コンクリート製の共同住宅が並ぶ。そのほとんどが、1、2階は商店、その上に居住部分がある下駄履き式と呼ばれるもの。老朽化、空室化が問題視されていたが、現在は再生、活用のためのさまざまな試みがなされている。

 第一共同ビルでは、今年の4月に1階に建築・アート関連の書籍をそろえたライブラリーカフェがオープン。5月には東海大学建築学科、杉本洋文研究室とNPO法人アーバンデザイン研究体が共同で、昭和の間取りのまま残っていたアパートの一室を、土間のあるシンプルなワンルームにリフォームしたばかり。また9月には、同ビル1階に東京芸大准教授の市村作知雄さんが仕掛ける芝居小屋「十六夜(いざよい)吉田町スタジオ」もオープンする。

 このシェア・ハウスに一番乗りの住人となった、きまたまきさんは舞台の演出助手。「芝居仲間からこの家のことを聞いてすぐに決めました。この辺りは店も多いし、活気があって気に入っています。ハウスメートがアーティストたちなので、お互いに刺激しあいつつ暮らしたい」と話している。

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