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日本新聞博物館に石巻日日新聞社の手書き壁新聞-報道写真展で

震災の翌日3月12日から17日までの6日間、手書きで発行した壁新聞

震災の翌日3月12日から17日までの6日間、手書きで発行した壁新聞

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 日本新聞博物館(横浜市中区日本大通11)は、特別展示「東日本大震災報道写真展」を開催している。

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 同展では、被災地や全国の新聞社などの報道機関が撮影した、東日本大震災の現場の様子を伝える写真のほか、手書きで製作された「石巻日日(ひび)新聞」(本社・宮城県石巻市)の壁新聞などが展示されている。

 東日本大震災の地震と津波での死者は1万5千人を越え、行方不明者もいまだに8千人以上となっている。同展では、地震や津波発生時の様子や被害の状況など、新聞社のカメラマンたちが危険を顧みず撮影した写真のほか、避難所で生きる人々、福島第1原発の事故の状況とその影響、復興への希望などをとらえた作品90点を展示している。

 石巻日日新聞は、1912年に創刊された地域夕刊紙。展示されている手書きの壁新聞は、同社の印刷設備が津波の浸水と停電で使えなくなり、記者たちが、新聞印刷用のロール紙を切り取り、マジックで手書きで書いたもの。震災の翌日3月12日から17日までの6日間、毎日6部を手書きで制作し、石巻市内の被災者の避難所やコンビニエンスストアの店頭など6カ所に張り出した。手書きの壁新聞は、米ワシントンにある報道博物館「ニュージアム」でも展示されている。

 また、同館ロビーでは東北地方の地方紙5紙を含めた全国20紙の東日本大震災の号外を展示している。

 石巻日日新聞の常務取締役報道部長、武内宏之さんは手書きの壁新聞について「震災直後から、近江弘一社長の陣頭指揮の下、編集部門だけではなく、さまざまな部署の人間が入れ替わり立ち替わりかかわって、作りました」と話している。

 また、日本新聞博物館の学芸員の藤高伊都さんは「未曾有の大災害が起こり、何かできないかと考え、報道写真の展示をすることになった。撮影した記者一人一人の撮影した際の思いが伝わってくる被災地の写真はとても迫力がある。伝える記者自身が被災者であることも。石巻日日新聞の手書きの新聞は、資料自体が報道の原点を伝えるもの。どんな状況であっても情報を伝えようとする新聞社の使命や、記者の思いを感じてほしい」と話している。

 同展の会期は4月23日から5月29日までの予定だったが、多くの入場者を集めていることから、6月22日まで延長となった。一般・大学生500円、高校生300円。中学生以下は無料。開館時間は10時から16時30分まで(最終入館は16時まで)。月曜休館。

 日本新聞博物館は、日刊新聞発祥の地である横浜市に2000年10月にオープン。常設展示では、新聞の歴史や新聞がつくられるまでを紹介。パソコンで新聞の製作体験ができる「新聞製作工房」や、全国の主要紙を閲覧できる「新聞ライブラリー」も併設されている。

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