横浜市開港記念会館のステンドグラス修復を記録した記念誌を発行

横浜市開港記念会館のステンドグラス修復記念誌「甦る光」

横浜市開港記念会館のステンドグラス修復記念誌「甦る光」

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 国重要文化財指定の横浜市開港記念会館(横浜市中区本町1)のステンドグラス修復の完了を記念して、修復の過程を記録した記念誌「甦る光」が販売されている。

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 横浜市開港記念会館の2階広間には、約80年前、関東大震災復旧時に設置されたステンドグラスが施されている。明快な色ガラスの構成で、各色のガラスには型板ガラスや腐蝕のものをまじえた、乳白・朱赤・金茶・茶褐・黒褐・緑・青・紫の各色を利用。

 同ステンドグラスは時間の経過によりたわみや汚れが発生し、ガラス自体の耐震性も低下していたことから、横浜開港150周年記念事業の一環として、横浜マイスターの平山健雄さんの手によりステンドグラス3枚「呉越同舟」「鳳凰」「箱根越え」の修復が行われた。修復作業期間は2008年6月から2009年3月まで。

 「甦る光」は写真と解説付きの記念誌で、修復前後の写真や修復行程(納り模型制作・ガラス分解・ガラス洗浄・ガラス焼き直しなど)、同館のステンドグラスの歴史が記録されている。発行は横浜市市民局地域施設課・中区役所。

 販売場所は横浜市刊行物サービスコーナー(市庁舎1階市民情報センター内)、横浜市開港記念会館の1階事務室。価格は1部2,000円(A4判変形112ページ)。

 横浜市市民局地域施設課区庁舎環境係の大濱隼さんは「修復は約2,000枚ものガラスピースを分解し、1枚1枚洗浄後、組み立て直していく作業で、徐々にガラスが光を取り戻していくさまは、非常に感慨深いものがありました。今では大修復を終え、透明感のある非常に色鮮やかなステンドグラスになりました。左右2枚のステンドグラスは、縦3メートル、横1.5メートルの国内最大級の大きさで一見の価値があります。ぜひ、よみがえったステンドグラスをご覧になりに横浜市開港記念会館にいらして下さい」と話している。

 横浜市開港記念会館の開館時間は9時~22時。毎月第4月曜休館(祝日・休日の場合は翌日)。

 横浜市開港記念会館は1917年に横浜開港50周年を記念して市民の寄付金によって建設された記念建造物。関東大震災により建物内部を焼失した後、1927年に復旧し、1989年に国の重要文化財に指定された。シンボルである高さ約36メートルの時計塔は「ジャックの塔」の愛称で親しまれ、神奈川県庁(キング)、横浜税関(クイーン)とともに、横浜三塔を形成している。

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