象の鼻パーク内の「象の鼻テラス」(横浜市中区海岸通1、TEL 045-661-0602)で、世界各地の都市を舞台に展開するアートプロジェクトを紹介する「スペクタクル展 共振する都市とアート」が開催されている。
同展は、都市とアートの共振から生まれたさまざまな作品群を「現代都市の新たなスペクタクル」ととらえて発表するシリーズ企画で、今後3年間継続的に開催する。企画委員が推薦する世界のスペクタクルな事例を紹介するとともに、都市との関わり方を考えるきっかけとして詩人の谷川俊太郎さんの作品展示を行う。
企画委員は太田浩史さん(東京大学生産技術研究所講師、建築家)、住友文彦さん(ヨコハマ国際映像祭2009 ディレクター)、南後由和さん(東京大学大学院情報学環 助教)、松田朋春さん(スパイラル チーフプランナー)。
会期中は、都市とアートが共振することの意味や意義を考えるトークショー、環境パフォーマンスなど多様なイベントを展開する。10月23日は、象の鼻テラスの風景を題材にした、谷川さんの新作品「<象の鼻>での24の質問」をもとに、谷川さんと質問交換会を行うトークイベントを実施する。10月9日、13日、17日と24日には、写真家、アーティスト、建築家、ディレクターなどを迎えたスペクタクルトークを行う。
そのほか、同パークの水際に炎を作り都市空間を演出する環境パフォーマンス「MEDIASCAPE@YOKOHAMA」(10月17日)。東京ピクニッククラブによる自由参加型ピクニック「スローフードピクニックWITH350」(10月24日)、「ピクノポリスヨコハマ」(10月31日、11月1日)などを開催する。
期間中、同カフェにはユニークな限定メニューも登場する予定。
1日のオープニングセレモニーで、谷川さんは「展覧会にあたり詩を依頼されたが、ただ詩があるだけではつまらないと思い、お互いに対話できる『質問形式の詩』を提案しました。我々物書きは、言葉を一方的に発信しているように思われがちですが、実は、文章を読んでもらい、他者に問いかけられたいといつも思っています。ガラス窓に言葉を載せましたが、いろいろなメディアがある中で、ガラスというメディアを使うのは初めて。お客さんの反応が楽しみです」と期待を寄せた。
ワコールアートセンターのアートディレクター岡田勉さんは「開国150年を記念して整備された象の鼻パーク内に新設された『象の鼻テラス』。運営コンセプトは『文化交易』。さまざまな西洋文化を輸入し日本の近代化の礎を築いたこの港を、文化を軸に再デビューさせたいという意図を込めました。これから新たな価値を創造し、ここから世界に発信する事が目標。芸術と食欲の秋を満喫するプログラムで皆様のお越しをお待ちしております」と話す。
展覧会は、会期中無休の入場無料。開館時間は9時~17時(イベントにより変更する場合あり)。11月3日まで。