
BankPark YOKOHAMAのギャラリースペース「CRAFT.」(横浜市中区本町6)で、明治期の輸出陶磁器を紹介する「オールドノリタケ展」が開催されている。BankPark YOKOHAMAグランドオープン記念事業の一環。
「オールドノリタケ展」会場のCRAFT. は文化芸術・工芸の発信拠点
オールドノリタケは明治期の日本にはなかった純白で硬質な洋食器を目指して製造された磁器で、高度な職人技を駆使した手描きの装飾が特徴。横浜港を経由して海外へ渡った。
展示は、ビクトリア王朝風からアールヌーヴォー、アールデコへ至る変遷を見ることができるティーセットや花瓶、小物類を展示し、図案や成形、絵付けの違いを実物で示す構成。いずれも100年以上の歴史があり、欧米で高く評価された工芸品で、横浜への凱旋展示となる。
期間中、オールドノリタケ研究家の竹内友章さんによるトークイベントが行われる。竹内さんは、日本を代表する世界的なコレクター。ニューヨークに本部があるオールドノリタケの国際クラブ「INCC」で、日本人として初めて2年連続会長を務めた実績を持ち、所蔵点数は2千点以上。多種多様な意匠や技法を網羅したコレクションは世界的にも有名で、オールドノリタケの魅力を国内外に発信している。
竹内さんは「横浜での初紹介は2004年に横浜開港150周年の関連企画として三溪園で実施した。横浜は開港以来、絹織物とともに、陶磁器やガラス製品の積み出し拠点として機能してきた歴史がある。今回の展示は、地域の歴史と輸出陶磁の歩みを重ね、制作現場の技や図案の変遷を具体物で示す試み」と話す。
会期は10月19日まで。トークは今後、13日・18日・19日の各日13時と16時に開催。参加費無料(予約不要)。
CRAFT.は、世界各地の工藝作品を集積するギャラリー・ライブラリーと、フラワーショップ「CRAFT. Flora Ludique by Hanahiro」、食材や調理法にこだわったフード・ドリンクを提供するダイニングレストラン「CRAFT. Table」を併設する複合型空間。営業時間は11時~19時。