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全国各地の夢を乗せた「未来へ号」贈呈式-黄金町の停留所で

黄金町で行われた「未来へ号」贈呈式

黄金町で行われた「未来へ号」贈呈式

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 「未来芸術家」の遠藤一郎さんが運転し、全国各地で出会った人がそれぞれの夢を車体に書き込んだマイクロバス「未来へ号」が9月25日、2年間のリース契約を終え、トヨタレンタリース神奈川(横浜市神奈川区)から遠藤さんに無償で贈呈された。

GPSの軌跡で描かれた「→ARIGATO→」

 「未来へ号」は、2006年に始まった遠藤さんのアートプロジェクト。青い字で大きく「未来へ」と書かれた黄色い車で全国各地を旅し、行く先々で出会った人に夢を書き込んでもらっている。東日本大震災の発生直後、被災地に行った遠藤さんが「東北の現状を被災地以外に伝えたい。未来へ号で人を往来させ東北に熱を起こしたい」と、2011年8月にアートイベント「黄金町バザール 2011」の作品として活動を再開した。

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 マイクロバスをレンタルし、中区黄金町に設けた「未来へ号停留所」と被災地を10回以上往復した。今回贈呈されたマイクロバス(定員29人)は、プロジェクトが始まった2006年から数えて4台目となる。

 当時はボランティアのバスツアーなども少なく、一般の人が被災地を訪ねるための手段が限られていたため、知人やアート関係者、一般参加者など、被災地に行きたいと希望する人をとにかく乗せたという。宮城県石巻市や岩手県大船渡市などで、泥だしなどの被災地支援のほか、現地の人と合同で祭りやたこ揚げイベントを企画し、バスの乗客とともに開催した。「未来へ」と書かれたバスのペイントをみた被災者から美容室の看板描きを頼まれたり、仮設住宅に住む人を乗せて現地で紅葉ツアーを企画するなど、このバスの存在がきっかけになって現地の人との交流が生まれていったという。

 2012年には、GPSを付けて走行し、その軌跡で日本列島にメッセージを書くプロジェクト「RAINBOW JAPAN2012」を開始。1年間で2回、日本列島を北上しながらメッセージを書いた。沖縄から北海道まで走り、1回目は日本列島が一致団結する思いを込めて「いっせーのーせ」、2回目は世界中からの支援に感謝の気持ちを伝えるため「→ARIGATO→」と書いた。

 この2年間の走行距離は約15万キロとなり、車体には「立派な介護士になる」「石巻が復興できますように」など、多くの夢が書き込まれている。

 贈呈式では、トヨタレンタリース神奈川の鈴木眞司さんが「2年前には書き込みなどまったくバスが、今はいろんな皆さんの願いや夢が書き込まれている。いろんな人と共感しながらやってこられたんだと感動した。これからも思う存分この活動をやってほしい」と話し、ダンボール製のカギのモニュメントを遠藤さんに渡した。

 遠藤さんは「このバスで日本列島に『ARIGATO』と書く作品を作ったが、いまはそのありがとうという言葉以外ない。これからも僕は人生をかけて夢を紡いでみんなと出会っていきたい。これからも未来へ号のドライバーとしてこのハンドルを握っていきたい」と語った。

 遠藤一郎さんは、1979年静岡県生まれ。「別府現代芸術フェスティバル2009 混浴温泉世界・わくわく混浴アパートメント」、「愛と平和と未来のために」(水戸芸術館)などに参加。現在、森美術館(東京都港区)で開催中の「アウト・オブ・ダウト」展(~2014年1月13日)に出展している。

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