横浜開港祭が行われている臨港パーク(横浜市西区みなとみらい1)「ぷかり桟橋」で、瀬谷区民を中心とした募金を生かし、東日本大震災の被災地・岩手県大槌町の漁業復興を願って建造された漁船「瀬谷丸」が一般公開されている。
「瀬谷丸」は、津波で漁船を失った大槌町の漁業の実情を知った瀬谷区民の有志らが、2012年春に「三陸沖に瀬谷丸を!実行委員会」を組織して集めた募金で建造された。商店街・PTA・小中学校など地元を巻き込んだ募金活動は、最終的に3,625万1,079円になった。
船は、熊本県天草市の造船所で建造された。重さ19トン、長さ約25メートル、水色と赤のツートンの船体に「瀬谷丸」の文字が書かれている。「来場者が多く集まる開港祭の場で公開することは、東日本大震災の記憶を改めて首都圏に伝え、支援することにつながる」と、大槌町への引き渡し前に横浜でお披露目をすることに決めたという。
8日に行われたお披露目式には、大槌町の碇川豊町長のほか、漁業協同組合の関係者らも参加した。「瀬谷丸」は横浜開港祭の会場を9日16時に出航する。6月15日には、大槌町で贈呈式と進水式が行われ、大槌湾内を航行する。贈呈式には、瀬谷区発のチャーターバスなどで、区民ら約130人~140人が参加する予定だという。
実行委員会事務局の川口浩人さんは「瀬谷区は、市内でも人口が少ない方。しかも郊外にあるが、オール瀬谷で集めた募金を生かして建造された船を横浜港で見ることができ、感慨深い。区民のパワー・被災地への思いを、横浜開港祭という場で多くの方に知ってもらえれば」と話している。